北斗とリコー、脳機能ビッグデータと解析支援ツールを無償公開

2019年2月4日

世界初、日本人のデータで構成される「脳機能ビッグデータ」

社会医療法人 北斗(北海道帯広市)と株式会社リコー(東京都大田区)は、共同研究プロジェクトの成果として、脳磁計測システム(※)で計測したデータを「脳機能ビッグデータ」として取りまとめ、それを解析するための「解析支援ツール」を開発しました。日本人のデータで構成される「脳機能ビッグデータ」としては世界初となります。

※「脳磁計測システムとは、人間頭部の神経細胞の活動に伴って発生する極微弱脳磁場を非侵襲かつリアルタイムで計測し、脳磁場の解析と脳磁図の作成を実現する装置です。脳の神経生理学的機能を「見える化」することにより脳の状態を把握するものとして、てんかんの診断などに活用されており、今後も幅広い臨床応用・学術研究への応用が期待される装置です。」

北斗は、それらをウェブサイト「MEAW Homepage*4」を通じて医療関係者や学術研究者向けに無償公開します。「脳機能ビッグデータ」と「解析支援ツール」を活用し、脳磁計測システムを用いて検査を行うことで、脳機能の変化を伴う疾患の予防医療・早期発見に関する研究が活性化すると考えられます。

「脳機能ドック」システムの構築に貢献

北斗とリコーは本年1月より、認知症をはじめとした脳機能の変化を伴う疾患の早期発見・スクリーニングの技術開発を目指し、脳磁計測システムを利用した共同研究を行っています。この度公開される「脳機能ビッグデータ」は、リコーの脳磁計測システムを用いて日本人102人から計測した、日本初の脳磁計測システムの標準データです。

これらのデータは、脳磁計測システムで記録されたデータに数学的処理をかけた「脳機能画像データ」であり、医療関係者・学術研究者にとってより活用しやすい形式になっています。また、認知症のみならず、脳の神経生理学的信号の変化を伴う機能性脳疾患一般の予防医療・早期発見への応用のための土台となると期待されており、将来は、脳の構造的・解剖学的評価を行う既存の「脳ドック」システムとは一線を画し、脳の機能的な評価を行うことができる「脳機能ドック」システムの構築へとつながると期待されています。

(画像はイメージです)

▼外部リンク
北斗とリコー、共同研究プロジェクトの脳機能ビッグデータと解析支援ツールを無償公開


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