認知症の予防と治療:認知症の治療とは?

1. 認知症の治療とは?

治療可能な認知症は、適切な対応によって治癒または軽減できる疾患がありますので、医師にかかりましょう。

また、現在の医学では薬物療法で認知症を完全に治すことは不可能であり、完全に予防する事も出来ませんが、基礎研究が進み、明るい未来が開けそうです。

2. どんな薬があるのか?

初期の認知症の進行を遅らせる薬としてアリセプト(塩酸ドネペジル)があります。

2011年にはメマリー、レミニールなどが登場しました。ただ、認知症を治す根本的な治療は現在のところ開発されていません。薬はあくまでも対処療法であり、認知症を十分理解し自由に生活できるようにすることが認知症の悪化や進行速度を抑えることにつながると言われています。

3. 治る症状と治らない症状があると聞いたが?

① 手術で直る認知症:突発性正常圧水頭症(iNPH)などがあります。
② 薬剤で治る認知症として、脱水・発熱・貧血・甲状腺機能低下からくる認知症などは点滴補液だけでよくなることもあります。
③ 環境で緩やかになる認知症の症状には、中心的な症状(記憶障害や判断力低下など)と周辺症状(不安・妄想・徘徊など)があります。


記憶障害など中心的な症状は進行しますが、妄想などの周辺症状は介護者のかかわり方や環境への配慮で改善することがあります。中心的な症状に対しても、脳の活性化を促すアクティビティーやリハビリなどで進行を遅らせることは期待できます。

4. 向精神薬は(精神疾患治療薬)は有害って本当?

向精神薬は幻覚や妄想等の精神病的な症状や不安、不眠、うつ病等に有効で、これらの症状のある方にとっては必要な薬です。

向精神薬が有害と言われるのはその副作用にあり 便秘などの副作用などは他の薬で解消できます。一般に向精神薬の副作用としては眠気、倦怠感、吐き気等がありますが、人により副作用の出方が異なります。この眠気によりふらつきから、転倒をして骨折につながりやすいです。ですので、なるべく薬に頼らず症状を軽減できる工夫をしましょう。しかし、殆どの場合はその副作用も服薬を中止して、しばらくするとおさまるので心配はいりません。

5. 薬を飲ませるときの注意事項は?

まず、薬の服薬がご自身で出来るかを確認します。

出来ないようなら、服薬時間と服用した事の確認をしましょう。高齢者は一人で多数の病気にかかっている場合が多くその為、複数の薬を同時に服用している事や、高齢者は若い人より薬の作用も副作用も強く出る傾向があります。また、薬によっては一緒に服用してはいけないものもあります。したがって、服用する全ての薬を把握しているかかりつけ医の存在が必要です。別の医療機関から新たに投薬を受けた時は必ず、現在かかっている医師に相談し、現在は薬局で薬を飲む時間毎に一つにまとめてくれるところもあるので、探すのも一案です。

6. 飲みたがらないときどうする?

薬を飲みたがらない時に無理に飲ませる事は出来ません。

穏やかに話しながら、効能を説明し、どうしても飲まない時は機嫌のよい時を見計らって飲ませるようにしましょう。また、医師に相談をして、飲みやすい形状に変えてもらうのもよいでしょう。

7. 副作用にはどんなものがあるか?

一般に向精神薬の副作用としては眠気、倦怠感、吐き気等があります。

しかし、殆どの場合はその副作用も服薬を中止して、しばらくするとおさまるのでさほど心配は要らないでしょう。なお、副作用がきつかったり、服薬を中止してもおさまらない場合は医師に相談しましょう。

8. 「認知症の治療はケアが主役」とはどういう意味?

ケアとは、ご本人の自立した生活を送れるように支援していくこと。

健康面や医療的な部分は医師や医療スタッフが支援し、ご本人の生活に関して支援するのが 家族であったり、施設のスタッフであったり、地域のご近所さんであります。現在、認知症に対する医学的治療は十分とはいえません。ご本人の失われた機能を周りの者が皆で補い、残された機能を維持できるようにする事がなにより大事と言えるでしょう。

9. リハビリテーションはどういう事をするの?

リハビリテーションとは人間としての尊厳を取り戻すことであると言われています。 単に健康であることだけではなく、社会の中で生きている人間としての権利です。発表会や文化祭などのための演奏の練習や陶芸品作りなど目的を持って出来ることを行います。訓練することが目的ではなく生活を楽しむことが目的なのです。

10. 「認知症における危機状況」とはどういうこと?

危機的状況として、大震災や水害などに直面した際には、外部の急激な状況に迅速に対応する判断能力が落ちてくるため、安全な場所に移すなどの対応が必要となります。

11. 病気を持っていると認知症が悪化する?

病気と認知症の悪化との因果関係は医学的にはっきりしている場合とそうでない場合があります。

前者のケースは高血圧が血流障害をおこしたり、糖尿病で動脈硬化を促進するので脳血管障害を引き起こしたりして、認知症が悪化する場合等がそうです。また、後者のケースは肺炎、心筋梗塞、骨折等がきっかけで認知症が悪化した場合です。このような要因を結実因子といい、すでに存在している潜在的な認知症を進行させた結果と考えられます。

12. 様々な問題行動は薬で改善できる?

BPSDと言われるような幻覚、妄想、不眠、興奮、徘徊、等の認知症における周辺症状には、大きく分けて抗不安薬、抗精神病薬、抗うつ薬の三つがあります。

これらの薬は症状を緩和させる為のもので、完全に治癒するわけではありません。薬によって改善する事が期待できる症状は幻覚、不眠、うつ、せん妄、攻撃性、不安等です。物忘れ、見当識障害、不潔行為等にはあまり効果が期待できないでしょう。

13. 脳血管性認知症の薬物治療は?

脳の障害部位周辺の血液や代謝を改善する目的で、脳血流改善薬や脳代謝賦活薬が使われます。

特に脳血管性の認知症の場合、健康な脳が残されているケースがあるので、薬物療法と積極的なリハビリテーションが効果をあげるといわれています。

14. お年寄りに副作用が出やすいのはなぜ?

高齢者は一般の人より薬の投与量の調整が難しい。

副作用を起こすと重症になりやすく、生活に支障を来たすようになるため、薬を服用するときは必ず医師に相談しましょう。


このページの
上へ戻る