認知症高齢者への接し方

1. 認知症高齢者への接し方は?

常に高齢者に対しては尊厳を持った態度で接し、その発言に対してはまず肯定をして受容します。

高齢者は自分が受け入れられないと思うと、より強く自分の主張をして逆効果を招きます。高齢者が何を望んでいるかを考え、やさしく対応しましょう。

2. 介護する上での注意点は?

環境の変化などあまり変化があると混乱を招くために、今までの生活を継続出来るような接し方や配慮が必要です。

今までの生活リズムを変えないことが好まれます。部屋の模様や日課などはなるべく急激な変更は避けましょう。また高齢者のペースにあわせ、できる事を見出し、健康状態にも気を配りましょう。

3. 介護が困難になるのはどんな時?

介護が困難な場合にも様々なものがありますが、大きく分けて次の三つになると思われます。

(1)認知症の症状が多く出てきた時、(2)介護力が低下した時、(3)身体状態が悪化した時です。(1)、(3)の場合は専門医の受診が必要です。(2)の場合は地域の区市町村の相談窓口に行く必要があります。まずは認知症の専門医に相談しましょう。 認知症専門医はインターネットで検索できます。

4. 介護疲れしない工夫は?

介護は1人で悩まずに地域の介護者の仲間を作り情報交換したり相談しあうのも精神的な疲労の解消にもなるでしょう。

介護保険等社会資源の活用も大きな力になります。疲労をためず介護者の息抜きが必要です。家族の協力を得て、体を休める時間を作ることです。

5. 環境・設備における工夫は?

認知症の高齢者を介護する時の環境・設備においては今までの生活のスタイル変えないことです。

急に居場所がわからなくならないように目印や明かりでわかるよう工夫します。例えばトイレの場所を分かるように「便所」と書いた印をつける。自分の部屋が分かるように好みの品を目印にすることなどです。「安全」の面では、台所の火の元・タバコの火の不始末等には注意が必要です。殺虫剤等危険なものは手の届かないところに置くなどの工夫が必要です。

6. 在宅と施設での介護の違いは?

在宅での介護のよい点は家族の温かみを肌で感じ、長年暮らしてきた関係を持てることです。

住み慣れた地域や近所付き合いにより、介護を必要とする時期が遅くなる傾向があります。長年使い慣れた家具に囲まれ、自分の時間が自由に持てるなど、自宅での生活は精神的に落ち着きます。悪い点は 体調が優れない時などに孤独になり、社会的な繋がりが希薄になりやすいです。一方施設では 24時間見守りがあるため安心感があります。設備や安全面では施設のほうが整っています。気のあった友人ができ、季節の行事にも参加しやすくなります。

7. どんな話し掛け方がいい?

認知症の病状によって症状の出方が異なります。

失語などの症状によって話し方を変えます。話しかける時は同じ質問を何度もされた場合も怒らず根気よく対応しましょう。意味が通じずわからない事を言われても否定せずに受容して高齢者に安心感を与えましょう。例えば自分の娘といわれた時は娘でなくても否定せず娘になりきります。実際に93歳でも35歳の時代に戻っているような話の内容であってもその話を続けて頂き、一緒に共感します。

8. 言葉以外のコミュニケーション方法は?

バリデーションといって、認知症の高齢者と言葉での意思交流ができなくなってもジェスチャーやスキンシップ等でも意思の伝達は可能です。

微笑む、指をさす、やさしく抱いてあげる等で高齢者に気持ちは十分伝わります。時には手に軽く触れたりして表情豊かにジェスチャーを交えて話しかける事で高齢者との意思交流を図りましょう。

9. 症状・程度による介護内容の違いは?

一緒に生活していたお年寄りが初めて認知症の症状を見せた時の家族のショックはかなり大きいものと思われます。

認知症も初期の段階では精神的に受け入れる事が大変ですが、認知症を正しく理解して病気である事を家族が受け入れること、ケアによって症状が和らぐ事を受け入れます。いろいろな機関を利用する事や家族の会に参加して沢山の力を借りるといいでしょう。次第に中期に入ると徘徊や夜間不穏が始まり、危険の防止に気を配らねばなりません。そして認知症が進行して最終段階に入ると、寝たきり状態と考えたほうがよいでしょう。

10. 介護の仕方次第で症状がかわるか?

認知症を放置していたら悪化します。

介護する側が認知症の病状を理解して接すれば、介護の仕方によって認知症の高齢者の症状が軽減することもあります。認知症状が出現して夜間に不穏な行動をするようになった高齢者に家族みんなで頻繁に声かけをし、高齢者にできる役割を見つけることで精神的に落ち着きを取り戻し夜間不穏がなくなった例もあります。

11.脱水・便秘が引き金になると聞いたが?

脱水が重度になると、精神活動の低下やせん妄などが現れる場合もあります。

特に認知症の方は自分で症状を訴えられないことがあるので、1日の水分量を1000ccを目安に把握し、排尿回数をノートにつけるなど、日常の観察をしていくことが大切です。たとえばトイレに行く回数が増えるので水分をとらない方に対しては、お茶や繊維の多い果物を意識的にとってもらうことで、脱水の解消になることもあります。





このページの
上へ戻る