レビー小体型認知症とは|特徴・症状の改善策・有効な薬など

レビー小体型認知症は、認知症の20%を占める病気で、レビー小体という神経細胞に出来る特殊なたんぱく質の増加が原因となります。ここではレビー小体型認知症の症状、原因から対応方法について詳しく紹介します。


この記事の目次
  1. レビー小体型認知症とは
  2. アルツハイマー型に次いで発症数が多く、また、男性に多い
  3. 特殊なたんぱく質によって神経伝達が障害されるために起こります
  4. 症状が出るかなり前から脳の異変は起きています
  5. レビー小体型の症状の特徴
  6. 初期の段階で物忘れより幻視が見られます
  7. 間違った認識をしてしまう事があります
  8. パーキンソン病のような症状が出ます
  9. 頭がはっきりしている時と、そうでない時があり、それを繰り返しながら進行します
  10. うつ症状が出たり、レム睡眠行動障害もみられます
  11. レビー小体型の方への対応の仕方
  12. 嘘ではなく本人には見えているため、否定してはいけません
  13. 話を合わせて安心させましょう
  14. 動作がゆっくりでも急かさない
  15. 出来ない時は出来ないのだと理解しましょう
  16. レビー小体型に見られる症状の改善策
  17. 訴えを良く聞いて不安を取り除く
  18. 日中疲れ過ぎない程度に身体を動かす
  19. ベッドからの転落を防ぎ、ケガをしない工夫
  20. 家の中でも転倒しないよう注意が必要
  21. 対応が難しいと思ったら抱え込まず、専門機関に相談
  22. レビー小体型認知症に有効と認められた薬があります

レビー小体型認知症とは

アルツハイマー型に次いで発症数が多く、また、男性に多い

レビー小体型認知症は、アルツハイマー型認知症に次いで多い認知症です。1976年に、日本の小阪憲司(現横浜市立大学名誉教授)らによって報告され、1995年にレビー小体型認知症という名称が付けられました。アルツハイマー型が、女性の発症率が高いのに比べ、レビー小体型は男性の方が多く、女性の約2倍と言われています。

特殊なたんぱく質によって神経伝達が障害されるために起こります

レビー小体とは、神経細胞に出来る特殊なたんぱく質です。レビー小体型認知症では、レビー小体が脳の大脳皮質(人がものを考える時の中枢的な役割を持っている場所)や、脳幹(呼吸や血液の循環に携わる人が生きる上で重要な場所)にたくさん集まってしまいます。レビー小体がたくさん集まっている場所では、神経細胞が壊れて減少している為、神経を上手く伝えられなくなり、認知症の症状が起こります。

神経細胞とレビー小体のイメージ図

症状が出るかなり前から脳の異変は起きています

レビー小体型では幻視や妄想などの症状が見られますが、これは視覚を司っている、後頭葉と呼ばれる部分に病変が起こる為に、視覚に異常が起こるものです。ただ、視覚の部分が侵される事で幻視が起こると分かりますが、実は症状が出る前から、脳の異変は起きているとされています。

レビー小体型の症状の特徴

初期の段階で物忘れより幻視が見られます

認知症というと、物忘れが激しいというイメージを持っている人が多いですが、レビー小体型では、初期の段階で物忘れよりも、本格的な幻視が見られる場合が多くなります。

幻視は、「虫や蛇などが部屋にいる」「知らない人がいる」「遠くにいるはずの子供が帰ってきている」などと訴え、いるという場所に向かって話しかけていることもあります。

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間違った認識をしてしまう事があります

誤認妄想というものも、レビー小体型では見られやすくなります。まだ働いていると思っていたり、まだ自分は若くて子供も小さいと思っていたりします。また、自宅にいるのに自分の家ではないと思ったり、家族の顔がわからなかったり、家族が誰か知らない人と入れ替わっていると訴える場合もあります。

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パーキンソン病のような症状が出ます

パーキンソン病と間違われることもあるほど、似た症状が出てきます。手が震える、動作が遅くなる、筋肉がこわばる、身体のバランスを取る事が難しくなるなどの症状が出ます。

手の震えは何もしていない時の方が出やすく、物を持つなど何かをしようとすると震えが少なくなります。歩く時は、小股でちょこちょこ歩くようになり、一旦止まってしまうと、次の一歩が出にくくなります。また顔の表情も乏しくなり、笑っても怒っても口元が変わるくらいで、感情が読み取りにくくなります。

頭がはっきりしている時と、そうでない時があり、それを繰り返しながら進行します

アルツハイマー型認知症は徐々に症状が進行しますが、レビー小体型では、頭がはっきりした調子の良い時と、ぼーっとしている時を繰り返しながら進行します。
周りから見ると、しっかりしている時もあるため、ぼーっとしている時に、本当はしっかり出来るのにしないだけではないかと思ってしまい、怒ったり無理強いをしてしまう場合があります。

うつ症状が出たり、レム睡眠行動障害もみられます

初期の段階からうつのような症状が見られる場合が多く、うつ病と間違えられる事もあります。また、何となく元気がないとか、食欲がないなどの訴えがみられます。この他にも、眠れないなどの訴えもあり、寝ている時に暴れたり大声を出したりする、レム睡眠行動障害と呼ばれる症状が出る事もあります。

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レビー小体型の方への対応の仕方

嘘ではなく本人には見えているため、否定してはいけません

レビー小体型の方の幻視に対しては、ご本人にとってはそこにいるものとして見えているため、否定はしないでください。否定しても納得はしてもらえません。それどころか、周りの人が「見えていない」と嘘をつき、自分をバカにしていると感じ、怒ったり暴力を振るったりする場合があります。

話を合わせて安心させましょう

幻視を訴えられたら、その話に乗って、虫や蛇などの嫌なものに対しては、いるという場所を叩いてみたり、追い払うしぐさをして、いなくなったと安心させましょう。知らない人がいるなら「お客さんが来られたみたいだけど帰られました」など話を合わせてから、違う話題に変えてみましょう。

動作がゆっくりでも急かさない

低い段差でも躓きやすくなり、少しバランスを崩しただけで転倒してしまう危険がありますので注意が必要です。いきなり後ろから声をかけたり、早くこっちに来るようになどと服を引っ張ったりしただけでも転倒する場合があります。動作が遅くなるのは仕方がない事なので、急かさないでください。余計に動けなくなります。

出来ない時は出来ないのだと理解しましょう

頭がはっきりしている時があっても、ボーっとしている時は、出来ない時だと理解してください。介護をする人を困らせようとしていると思う人もいますが、決してそうではなく、出来ないのです。無理強いをしたりせず、必要なら介助してあげてください。

レビー小体型に見られる症状の改善策

訴えを良く聞いて不安を取り除く

部屋は明るくしましょう。薄暗い部屋が不安で幻視になる場合もあります。また同じ幻視の訴えが続く場合は、何か不安になる元がある可能性があります。虫が這いあがってきたなどと訴える時は、身体に痒みがある場合もあります。訴えを良く聞く事も大事です。眼鏡や補聴器で聴力・視力を改善することで幻覚や転倒の機会を減らすことに役立ちます。

日中疲れ過ぎない程度に身体を動かす

疲れ過ぎると、夕方から不安傾向になりやすいですが、昼間に寝ていると夜眠れなくなり、夜に幻視が現れたり、家ではないと出ていこうとしたりする場合があります。またレビー小体型では自律神経障害も起こりやすく便秘になりがちですが、身体を動かさないと余計酷くなりますので、日中は疲れ過ぎない程度に身体を動かすようにしましょう。

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ベッドからの転落を防ぎ、ケガをしない工夫

夜寝ている時に暴れたりする、レム睡眠行動障害が出ている場合、畳に布団なら良いですが、ベッドなら落ちる危険性があります。ベッドの下に何かクッションになるものを敷くと、今度は起きた時に転倒してしまう場合もあります。また柵などを付ける工夫もありますが、暴れた時に柵で頭や手足を打ってケガをする危険があります。柵を取りつけるなら、当たってもケガをしないよう、柔らかいもので巻いたりする工夫が必要です。また出来れば電動などで高さを調節出来るベッドを選びましょう。それが難しい場合は低床のベッドを選ぶようにすると安心です。

家の中でも転倒しないよう注意が必要

転倒しやすくなりますので、外出時は傍に付き添いましょう。また家の中もできるだけ段差を作らないように。毛足の長い絨毯に躓いて転んだなどのケースは多いので気をつけましょう。この他にも、手すりなどが付けられる場合はつけ、付けられない場合は、背の高くない安定した家具を置き手すり替わりにしてみましょう。この時、あまりに大幅に配置換えなどをすると、自分の家ではないと思ってしまう場合もあるので、気を付ける必要があります。眼鏡や補聴器で聴力・視力を改善することで幻覚や転倒の機会を減らすことに役立ちます。

対応が難しいと思ったら抱え込まず、専門機関に相談

家族の顔がわからなくなってしまったり、幻視などが見え出すと介護をする家族の負担も大きくなってしまいます。レビー小体型は急激に症状が悪化する場合もあります。対応が難しいと思われたら、家族だけで抱え込まず、県や市の福祉の窓口や、介護保険を利用出来ているならケアマネージャーによく相談して負担を減らすようにしましょう。

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レビー小体型認知症に有効と認められた薬があります

現在レビー小体型認知症”を完治させる有効な治療法はありませんが、症状を改善させる薬はいくつか存在します。これまでアルツハイマー型認知症に使用されてきた薬がレビー小体型でも改善報告があり、数年前から適用されるようになりました。また抗精神薬にも周辺症状を改善させる報告があります。いずれも症状がかえって悪化する場合もある為、必ず担当医師と相談しながら服用することが大切です。

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