認知症による「うつ・抑うつ」の対応

うつ・抑うつについて

気分が落ち込み何にも興味を示さなくなります

認知症では気分が落ち込む、眠れない、食欲がなく食べない、感情が鈍くなっている、何に対しても興味を示さないなどの症状が現れる事があります。これをうつまたは抑うつ状態と言います。認知症の介護で使われるうつは、うつ病と診断されているという断定したものではなく、気分が落ち込んだうつ状態であると考えた方が良いでしょう。抑うつも同じ様に使われます。またうつ・抑うつは「家でのけ者にされている」など、ネガティブな妄想を引き起こす場合があります。

うつ・抑うつはアルツハイマー型や脳血管性、前頭側頭葉型などでも見られますが、一番多いとされているのが、レビー小体型の認知症と言われています。

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うつ・抑うつの原因

生活環境が大きく変わった事などが原因となりやすい

身内や親しい人が亡くなる、息子や娘と同居の為、住み慣れた場所から知らない土地へ引っ越す、介護施設への入所など、生活環境が大きく変わった時に、気分が落ち込みうつが起こる事があります。それからまだ理解力が落ちていない認知症初期で、自分が認知症であるという事を知った事でうつになってしまう場合もあります。

飲んでいる薬が原因の場合も

また飲んでいる薬が原因でうつや抑うつが起きる事は多いとされています。うつを起こしやすいとされている薬の中には、高血圧の薬や鎮痛剤、パーキンソン病の薬があります。認知症の方でも飲んでいる事がありますので、注意してみてください。まだ高齢になる前にうつになった事がある人は、認知症となってからうつになりやすいとされています。

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うつ・抑うつへの対応の仕方

怒ったり注意せずゆっくり話を聞いてください

食事を残したり、いつまでも寝ないで起きている事などを、注意したり怒ったりしないでください。余計にうつや抑うつが酷くなります。またネガティブな妄想へと発展してしまう可能性もあります。うつや抑うつには寄り添う姿勢が必要です。言葉がすぐ出てこなくても待ちましょう。寂しい気持ちや不安に思っている事がうつや抑うつに繋がっている場合もありますので、ゆっくり話を聞く機会を作ってあげてください。


うつ・抑うつの具体的な改善策

うつや抑うつのサインを見逃さない

認知症では感情を上手く伝えられなくなっていたりする為、うつや抑うつになっている事が、わかりにくいかもしれません。最初は何となくぼーっとしているだけである場合が多いのです。でも注意してみてみると、今まで楽しみにしていたテレビを見なくなったとか、一日部屋に籠っている、あまり食べなくなった、言葉数が減った、夜眠れないと起きているなど、何かしらおかしいと感じられるものがあるものです。うつや抑うつが酷くなると、妄想が重なる場合があり複雑になってしまいますので、早い段階でのサインを見逃さないようにしましょう。

1人にしないで、みんなで昔の話などをしてみる

出来るだけ1人にしないで、家庭ならリビングに行きましょうと皆がいる場所に誘ってみてください。ご本人が興味を持ちそうな話題を出して話しかけてみる。「昔こういう事があったね」などと、昔の楽しかった話をしてみてください。これは回想法と言いますが、昔の懐かしい思い出や楽しかった記憶を思い出させるのは、脳を刺激しまた、精神状態を安定させる事で、認知症には良いとされており、うつにも効果があるとされています。

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好きな音楽を流してみる

また音楽を聴かせるのも良いでしょう。好きな歌手がいたらその人の歌でも良いですし、クラシックが好きな人ならそれでも構いません。ご本人が聴きそうな音楽を流してみましょう。また唱歌などを流して音楽に反応があるようでしたら、脳への刺激になりますので一緒に歌うのも良い事です。

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気分転換に散歩に出かけましょう。

外に出かける事はうつになっている時は、嫌がるかもしれませんが、「天気がいいよ」など、まずは庭や表に出る程度でも良いので誘ってみてください。家族でドライブでも構いません。但し無理強いにはならないように注意しましょう。

医師に相談またはデイサービスなどの利用

薬でうつが出てしまう事がありますので、何らかのお薬を飲んでいるならば、受診して医師に相談してみてください。また外に出る事が出来るようになれば、デイサービスなどを利用されるのも、良い刺激になるかもしれません。ただ、外に出るのも難しい状態の時は、デイサービス自体が負担となる場合がある為、しばらく様子をみましょう。

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介護者の心の持ち方

話しかけたり音楽を流したりしても反応がないからと、諦めないでください。認知症の人では、感情を上手く出すのも難しくなるものですので、反応が鈍いだけかもしれません。うつや抑うつの改善には、介護をする人にも根気がいるものです。明日には何かよい反応があるかもしれないと、前向きに考えましょう。

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