帰宅願望の原因と対応・対策

帰宅願望とは

自宅にいても訴えがある場合もあります

帰宅願望とは「家に帰りたい」と訴える事ですが、デイサービスやショートステイ、施設入所などで家ではない場所にいる為、家に帰りたいと訴えるだけでなく、自宅にいても家に帰りたいと訴え、外に出てしまう場合があります。帰りたい理由は人によって違い、また上手く意思が伝えられない場合は、本当はどこへ帰りたいのかわからない場合もあり、家庭では対応に困るケースもみられます。

夕方近くになるとソワソワしはじめ「帰りたい」と訴える場合が多いとされますが、時間に関係なく日中でも訴えが起こる事はあります。また家を探して歩く徘徊に繋がる事もあり、家族が気付かない間に家から出てしまい、迷子になったり、行方不明になる危険があります。

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帰宅願望が起こる原因

落ち着かなかったり居心地が悪い場合

慣れないデイサービスや介護施設、息子や娘との同居で引っ越しをしてきた時などでは、不安であったり落ち着かない為に帰宅願望を訴えることがあります。
また自宅であっても、部屋の模様替えや、カーテンを変えたなど、家の雰囲気が変わった事で、今自分がいる場所が自宅ではないと思ったり、失禁などで家族に怒られたといった理由から、家に帰りたくないなど、居心地が良くない為に訴えが出始めたケースもあります。

帰りたい理由は人それぞれ

実際にあったケースをいくつかご紹介します。
デイサービス中に、どうにかして外へ出ようとされていた男性は、仕事に行かないといけないと思っておられた為に、帰宅願望が出ていました。
また、デイサービスには利用者として来ているのではなく、職員だと思い込んでおられた70代の女性のケースでは、昼食時間になると帰宅願望が見られましたが、自分はまだ30代で家には小さな息子がいるから、早く帰って世話をしなくてはいけないというものでした。
認知症が進んでいても、自分の思いを伝える事が出来ると、帰りたい理由はわかりますが、思いを上手く伝えられなくなっていれば、本当の帰りたい理由がわからないと言えます。

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帰宅願望の対応と対策

「帰れない」は不安を増すだけです

「帰れない」という言葉をかけないでください。不安が増してしまって、余計に帰りたいとなり中には怒って暴力になる方もいます。自宅や介護施設で入所中に見られるものなら「帰りたい」という訴えには、「じゃあ帰る前にお茶でも飲みましょう」と、一息入れ「何か食べたい物はないですか?見たいテレビは?」などと話題を帰りたいというものから、変えてみましょう。

ここが居心地良い場所である事、ここにいて欲しい事を伝える

それでも外に出たがる場合は、自宅で時間があれば近所を一周して、「遠いみたいですね。明日にしませんか」と提案してみてください。
また「丁度今日はお部屋があるし、お母さん(お父さん、○○さん)の為にご飯も作ったので、ゆっくりしていってください」など居心地の良い事、またここにいて欲しい事をアピールしてみてください。
ただ、外に出る事でかたくなに帰らないとなってしまう場合もあり、一度そのような行為が見られたら、次からは外には出ず、玄関までにしてください。

話を帰宅願望から逸らせる

またデイサービスなどでの帰宅願望では、「お迎えの車が来るまで待っていてくださいね」などと話して引き留めている間に、「○○さんはお子さんは?」とか「昔はこの辺りはどうでしたか?」など回想法を兼ねた話をしてみる。話し方は少しオーバーでも良いです。「なるほど、そうですか」と、相手の話に興味を持って聞いているとわかってもらえるようにしましょう。
仕事に行く、また子供の世話をするなど帰りたい原因が分かっている場合は、それに合わせて帰らなくても大丈夫である事を伝え、興味がありそうな話題やレクリエーションを提供してみます。


帰宅願望の改善策

居心地の良い居場所を作る

自宅や介護施設が居心地良い場所であるように、またご本人がここに必要である事を、帰宅願望が出ていない時でも繰り返し伝えてください。
デイサービスでは、皆で同じレクリエーションをし、しない人は放っておかれるという風になっていませんか?自宅でも、家族団らんの場に一人部屋に残されるなどの状態になっていませんか。

怒られた事で、ここは自宅ではないと思い込む場合もありますので、出来るだけ怒らないようにするのも必要です。また居心地の良い場にする為に、ご本人の部屋などはなるべく模様替えなどはしないように、また同居などで引っ越しが必要な場合は、出来るだけご本人が使っていた物をそのまま使うようにしましょう。

興味がある物や趣味を知っておく

「家に帰りたい」がただ、外に出たいという場合もあり、そんな時はしばらくでも、一緒に散歩するのも良いですが、外に出る事で余計に酷くなる場合は、家に帰りたいという訴えから話を逸らせる方法を取ります。その場合、ご本人が好きな食べ物やテレビ番組、趣味などがわかっていると興味を引いてもらいやすくなります。
家族でも長年離れていたりすると、わかりにくいものですのですので、普段からよく話をする事が大事です。

「家に帰りたい」理由を探してみる

帰宅願望になっている原因がわかれば、対応が少し楽になります。話の中から、何か不安に思っている事や、帰らなければいけない理由、どこへ帰りたいのかなど、聞きとってみてください。

また上手く思いが伝えられなくなっている場合は、何か急な変化はないか、思い当たる事を考えてみましょう。
介護施設入所や引っ越しなどは大きな変化なのでわかりやすいですが、部屋の模様替えや、立ちあがりが難しくなり布団からベッドへ変えた、なども本人にとっては大きな環境の変化になります。
ご本人が戸惑ってしまっている事を理解して、元に戻せるものなら戻せばよいですが、無理な場合は慣れてもらうまでと思って、対応してみてください。

外へ出て迷子にならないよう注意する

目を離したすきに外に出てしまう事もあります。迷子になってしまう場合もありますので、帰宅願望や徘徊の危険があると思われたら、早めに近所の方や民生委員に連絡をして、外に出ている時には知らせてもらえるようにしましょう。また服には名前や連絡先を書いておく事も必要です。


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