介護と仕事の両立が難しくなったら

この記事の目次
  1. 仕事と介護の両立の現状
  2. 仕事と介護の両立は大変
  3. 介護が原因の離職は年間10万人に及ぶ
  4. 仕事と介護の両立の仕方
  5. 休職・退職になった場合のリスクを考える
  6. 介護は介護のプロに任せ家族で抱え込まない
  7. 介護サービスをフル活用しましょう
  8. 民間のサポート
  9. 仕事と介護を両立するときに受けられるサポート
  10. 介護休暇制度
  11. 介護のための勤務時間の短縮等の措置
  12. 介護休業給付金
  13. 民間の介護保険
  14. どうしても両立が難しくなったら
  15. 介護を理由とした退職で受けられるサポート
  16. 雇用保険(失業手当)
  17. 社会保険料などの免除や減免
  18. 社会福祉協議会による生活福祉資金貸付制度

仕事と介護の両立の現状

仕事と介護の両立は大変

育児の為に休暇が取れる事を知っておられる方は多いのですが、介護の為に休暇が取れる事を知っておられる方は少ないようです。育児ならば、段々子供は大きくなり手がかからなくなりますが、介護の場合は症状が進み、段々手がかかるという事になります。また介護ではいつまでという期間が決まっているものではなく、認知症の介護については、身体的な事ばかりでなく精神的にも負担が大きくなります。こういった背景があるため、仕事と介護の両立は難しくなってしまいます。


介護が原因の離職は年間10万人に及ぶ

2013年の7月に総務省は発表したデータでは、仕事と介護の両立をしている男性が約131万人、女性が約160万人いますが、2011年10月から2012年9月までの1年間に、介護や看護の為に離職した人は、10万人以上にもなります。

厚生労働省が行った、介護と仕事を両立させている人への調査では、「仕事を変わってくれる人がいない」「介護休業をすると収入が減る」という不安や問題を抱えているという事が判明。また介護と仕事を両立出来る職場ではなかったため離職をした人が多くいた事なども明らかになりました。

この他、介護理由での転職で、その後も正社員として働けている人は、男性で3人に1人、女性では5人に1人。転職した事で収入が約半分になってしまった人も多くなっています。


仕事と介護の両立の仕方

休職・退職になった場合のリスクを考える

大切な家族が要介護者になったとき、自分たち家族だけで何とかしようとすると、心身ともに追い込まれてしまい、結果、離職を余儀なくされる事にも繋がります。

しかし、仕事を辞めてしまった後の事を、具体的に考えてみましょう。収入が減ってしまう、又は無くなってしまっても大丈夫なほど貯えがあるなら良いですが、そうではない場合は、どうやって生計をたてていくかなど、熟考が必要です。介護サービスを利用するとしても、全く無償で行われるものはありません。収入が無くなった場合、介護サービスも減らさなければいけなくなり、身体的、精神的な負担は今より大きくなる可能性があります。


介護は介護のプロに任せ家族で抱え込まない

認知症の介護は、身体的な介護だけではありません。問題行動など、家族だけでは対応が難しくなる症状も多くなります。介護だけを考えても、家族だけで抱え込まず、介護サービスや地域全体のサポートを利用できると考えてください。

家族の介護を他人に任せられないと考える方もおられますが、介護サービスを行っているのは介護のプロです。病気になったら医者や看護師に任せますよね。介護もそれと同じです。


介護サービスをフル活用しましょう

介護サービスは在宅で利用出来る、ヘルパーやデイサービス、ショートステイなどがあります。ヘルパーには家族が仕事に出て留守でも、時間がくれば訪問してもらえます。デイサービスでは、朝から夕方まで1日施設で過ごせます。送迎付きの施設も多くみられます。またショートステイでは、数日施設に泊まる事が出来ます。介護度によって様々なプランを立てる事が出来ますので、ケアマネージャーに相談しましょう。また仕事がどうしても忙しい時期などは、介護老人保健施設や介護療養型医療施設に短期間入所し、リハビリを受ける事なども出来ます。


民間のサポート

介護保険以外の民間の介護サポートがあり、介護保険では対応していない事も行ってもらえる事があります。

配食サービス

昼食や夕食にお弁当を届けてくれるものです。顔を見て手渡しするようにしている所が多く、見守りの1つにもなります。

見守りサービス

電話や自宅訪問などを行って、様子確認を行います。企業だけでなく、自治会などが率先して行っている地域もあります。

家事代行

介護保険では、家事は要介護認定を受けた人が使用する範囲でしか出来ません。料理も要介護者の分だけになります。介護保険外では、制限なく行ってもらえ、時間がない人には、大きなサポートとなります。


仕事と介護を両立するときに受けられるサポート

仕事をしながら介護が行えるよう、サポート体制がいくつかありますので、利用してみましょう。


介護休暇制度

家族が2週間以上続いて要介護状態になった時に、その介護のため仕事を休業する事が出来る制度です。事業主は申し出に拒否する事は出来ません。
休業が出来る期間は、家族が要介護状態になるごとに1回、通算93日となっています。一度状態が良くなった家族が、再び状態が悪くなった場合は同じ様に休業する事が出来ます。

休業期間中の賃金は、会社によって給料の何割かを支払うサポートを行っている所もありますが、労働基準法に規定がないため、給料が支払われない場合もあります。

また入社1年未満であったり、介護休暇開始から93日以内に雇用関係がなくなったりする人は、介護休暇を取る事が出来ません。休業開始の2週間前に申し出る必要があります。

要介護状態の家族のために介護や通院の付き添いなどを行う場合に、家族1人につき5日、家族2人以上なら10日まで、休暇を取る事が出来ます。入社6ヶ月未満の人や、週に2回しか仕事をしない人は取得出来ません。介護休暇もまた、賃金が決められている訳ではないため、無給となる場合があります。


介護のための勤務時間の短縮等の措置

要介護の状態の家族がいる労働者に対して、介護がしやすいように最低93日は、勤務時間の短縮を行うようにするものです。これは、短時間勤務・フレックスタイム・始業就業の繰り上げや繰り下げ・介護サービス費の助成のどれかを行うこととなっています。


介護休業給付金

介護休業を申請した労働者は、最悪休業期間無給になってしまうため、雇用保険から支給される給付金です。介護休業を始める前の2年間の内、賃金の支払い日数が11日以上ある月が12ヶ月以上ある人のみ受け取れます。支給されるのは、原則介護休業を取った時の賃金の日額×支給日数×40%となります。


民間の介護保険

終身保険に「介護特約」が付いたものと、「介護保険」がメインになったものなどがあります。保障内容は保険会社によって違いますが、寝たきりや認知症であると、保障されるものが多くなります。また要介護3以上などの、公的な要介護状態で決められるものと、保険会社が独自に判断するものがありますので、保障内容を確認しましょう。


どうしても両立が難しくなったら

職場で、育児などの話は出来ても介護の話は難しいと言われる方がいます。でも職場の上司に今の状況を早めに伝える事は重要です。
ただ、職場が仕事と介護が両立出来る場所ではなかったために離職した人は多く、職場での理解が得られなければ、例え介護休業が取れたとしても、93日後からは同じ様に働かなくてはいけません。認知症の場合、93日で介護が不要になる人は少ないはずです。介護は介護サービスに任せ、職場で出来る限りの調整を行っても、両立が難しくなったら、退職も考えなければいけなくなります。


介護を理由とした退職で受けられるサポート

雇用保険(失業手当)

退職してしまった場合は、失業手当を受ける為にハローワークに行きましょう。介護が理由で退職となった場合は、特定理由辞職者となり、特定受給資格者と同様の扱いとなります。失業手当の受給資格は、特定理由辞職者だと、退職した日以前1年間に6ヶ月以上の被保険者期間がある事となります。

失業手当がもらえる期間は、年齢と被保険者であった期間で違ってきますが、特定理由辞職者では、一番期間が短い30歳未満被保険者期間1年で90日、一番長いのは45歳以上60歳未満で被保険者期間が20年の人が330日となります。支給される金額は、働いていた時の賃金によって異なります。

受給期間の延長

失業手当が受けられるのは、退職した日から1年となっていますが、この間に介護で再就職活動が出来ない場合は、受給満了日の延長が行えます。延長は申請を行う事で最長3年までとなっていますので、詳細はハローワークに問い合わせてください。


社会保険料などの免除や減免

国民年金は失業状態で、家族にも収入がない場合は免除を受ける事が出来ますので、年金事務所や市町村の年金課に確認しましょう。また健康保険が国民健康保険となりますが、国民健康保険料は免除にはなりません。ただ、雇用保険で特定理由辞職者と認定されていると、前年の収入の30/100 として保険料が軽減される場合がありますので、市町村の国民健康保険課の窓口で確認してください。


社会福祉協議会による生活福祉資金貸付制度

雇用保険の失業手当がもらえない場合や、支給が終わっても再就職が出来なかった場合は、生活資金などの貸付が行われます。連帯保証人を立てれば無利子となり、返済期間は20年以内となります。


このページの
上へ戻る