認知症カフェ: どんなことをしているの?

認知症カフェに参加したことはありますか?認知症の方の外出のきっかけや、介護者の憩いの場にもなっている認知症カフェは、当事者や家族、地域住民、専門職などが集う場として日本全国で開催されています。

認知症カフェについてご説明します。

認知症カフェってどんなところ?

認知症になると、気力の喪失や失敗への不安から、家に閉じこもりがちになることがあります。介護をしている家族も、徘徊や事故への懸念から外出を控えさせてしまうこともあるでしょう。家の中ばかりで過ごすと社会との接点を失い、より進行が加速してしまう恐れもあります。
また、介護者にとっても、家庭の中で介護を続けることは大きなストレスです。

このような状況を回避し、当事者だけでなく、家族、専門職、地域の人々が集まり、同じ状況の仲間が集まる場が認知症カフェです。
様々な情報交換やそれぞれの心のケアも大切な目的の1つとなっています。

認知症カフェの運営は様々な団体が行っています。

市町村などの自治体や地域包括支援センター、医療機関などの公的機関はもちろん、NPO 法人や社会福祉法人、介護サービス施設や事業者などの民間団体が多いのが現状です。中には認知症の当事者が主催するカフェもあります。

スタッフはどんな人?

民生委員や家族会のメンバー、認知症サポーターや地域のボランティアといった専門職以外の人たちが支援スタッフとして多く携わっています。

他には、医療職や福祉の仕事に携わる介護職、地域の行政職員や教職員なども参加し、多岐に亘る職種の方がいるため、気軽に相談ができることも魅力となっています。

どんなことを行うの?参加費は?

認知症カフェの参加費用は100円~2,000円程度と、ほとんどがワンコイン~少額に設定されており、無料で開催しているケースもあります。

①お茶を飲みながらの情報交換

リラックスした雰囲気の中で、おしゃべりしながら情報交換が行えます。お茶や食事を摂りながら話すことは、和やかなコミュニケーションにつながります。

②専門職を招いた講座や勉強会

介護や医療の専門職のほか、近隣のお店の方や警察官、弁護士といった、地域に根ざした様々な専門家が講師をつとめ、日々の暮らしに役立つ講座や認知症に関する勉強会を開きます。

③相談

専門職の方も多く参加する認知症カフェは、生活する上での困りごとや制度についてなど、気軽に相談できる場でもあります。

病院やケアマネージャーに相談するほどでも…というようなちょっとした相談ごとも、気楽なおしゃべりの中で解決することもあるようです。

④レクリエーションやアクティビティ、イベントなど

当事者同士が交流できるゲームやイベント、国内外の好事例を参考にしたアクティビティなど、各カフェによって様々な工夫がされています。

例えば、映画上映会やコンサート、カラオケ大会などの娯楽や、園芸やアロマテラピー、パソコンなどの教室、体操や脳トレーニングなどの指導など、各カフェが様々な趣向を凝らしています。認知症当事者がスタッフとなって役割を持つ場面もあり、意欲の向上に役立っています。

認知症カフェのメリット

認知症当事者

・出かける目的や場所ができることで、引きこもり防止につながる
・地域活動への参加で社会との関り・役割を持てる
・同じ状況の仲間や、理解者の存在により安心感を得られ、気兼ねなくおしゃべりができる
・趣味や楽しみができる
・地域の支援者と出会える
・顔を合わせることで、状態の変化の兆候を周囲が気づける環境を得る

介護者

・同じ立場の介護者や家族に出会えることで、心の負担や孤独感から解放される
・介護についての工夫やアドバイスなどの情報交換ができる
・専門家から様々なサービスや介護知識を得られる

認知症カフェの探し方

①最寄りの地域包括支援センターに問い合わせる

お住まいの地域にある地域包括支援センターに問合せてみましょう。担当のセンターが分からない場合は、市役所・区役所などで教えてくれます。

地域包括センターは認知症に限らず介護に関する多くの情報が集まっており、高齢者の暮らしを地域でサポートする拠点となっています。

②インターネットで検索する

インターネットで認知症カフェの情報を入手できます。例えばお住まいの地域と認知症カフェという2つのワードを検索画面に入力すれば、該当する認知症カフェの情報が得られるでしょう。

おわりに

認知症は誰でも発症する可能性のある病気であり、自分、もしくは家族が発症しても、正しく対応していけば、活き活きと日々を過ごすことができるはずです。仲間や地域の人たちと協力しながら、当事者も、そして家族も笑顔でいられるより良い社会を作っていきましょう。


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