2017/03/21

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グルテンフリーダイエットに待った!グルテンは糖尿病リスクを下げる?

近年、小麦やライ麦、大麦などに含まれるタンパク質の「グルテン」摂取を極度に制限するグルテンフリーダイエットが話題を集め、実践する人も増えてきています。健康的に体重を落とせるほか、美容やアンチエイジング効果も期待できるなどとされ、ノウハウ本なども人気となっていますが、今回、2型糖尿病にはリスクになる可能性があるという研究報告がなされました。

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そもそも効果も疑問?大規模研究でリスク増が判明

グルテンフリーダイエットは、グルテンを含むパンやパスタ、シリアル、うどん、ケーキ、ビールなどの食品摂取を絶ち、代わりに米粉やタピオカなどを用いたグルテンフリー食品を摂取するといった食事法によるものです。

自己免疫疾患のひとつであるセリアック病患者をはじめ、グルテンにアレルギー反応を示す人では摂取を避けなければなりませんが、それ以外の人におけるグルテン摂取の禁止や制限が、長期的にみた健康面でメリットをもたらすかどうかについては、ほとんど研究されておらず、現段階では医学的根拠がありません。

今回、3月9日付で米国心臓協会から発表された、「Epidemiology and Prevention/Lifestyle and Cardiometabolic Health 2017」における研究報告の内容によると、長期大規模研究で、グルテンフリー食がかえって2型糖尿病発症のリスクとなる可能性が示唆されました。

食物繊維を積極的に摂取!バランスのよい食事が大切

研究グループは、3つのコホート研究から、199,794人を対象として2~4年ごとに食生活に関する医療従事者へのアンケート調査を実施し、30年間以上の追跡データを収集、対象者らにおける日々のグルテン摂取量を推計し、分析を行いました。

グルテン摂取量の平均値は、「Nurses’ Health Study」で5.8グラム、「Nurses’ Health Study II」で6.8グラム、「Health Professionals Follow-up Study」で7.1グラムでした。研究開始当時には、グルテンフリーダイエットの概念はなく、対象者のグルテン摂取量は、パンやシリアル、パスタ、ピザなどの摂取量により異なっていました。

1984~1990年から2010~2013年までの追跡期間中、4,240,000人年のフォローアップがなされ、15,947例の2型糖尿病発症が報告されています。

解析の結果、1日あたりのグルテン摂取量が4グラム未満と最も少なかった群で、2型糖尿病の発症リスクが高くなっており、最もグルテン摂取量が多かった群では、4グラム未満の群に比べ、発症リスクが13%抑制されることが明らかとなったそうです。

グルテンフリーダイエットの流行以降は、健康的に痩せられるということで、糖尿病の発症リスクが高い人がグルテン含有食品を避けていた可能性があるため、グルテンを摂取することがリスク抑制につながるという直接的因果関係を示す結果とはいえませんが、効果に疑問が投げかけられるものとはいえるでしょう。

研究に携わったGeng Zong氏は、グルテンを制限すると、2型糖尿病をはじめとする生活習慣病などの予防に有益な食物繊維の摂取量が減少してしまいがちであることを指摘し、今回の研究でもグルテンを制限することで、結果的に食物繊維の摂取量が減少し、糖尿病発症のリスク増につながった可能性があると説明、グルテンばかりに気を取られるのではなく、炭水化物の質に配慮しながら、栄養豊富で多様な食品によるバランスのよい食生活を送ることが重要だとしています。

外部リンク

米国心臓協会(American Heart Association) プレスリリース

http://news.heart.org/