2017/03/21

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米国糖尿病学会、糖尿病性網膜症の指針を改訂発行

糖尿病の合併症における主なものとして、3大合併症のひとつにも数えられる糖尿病性網膜症があります。この糖尿病性網膜症は、先進国における成人の失明原因で多くを占めるものとなっており、糖尿病患者や糖尿病予備群となっている人は、十分に注意する必要があるものです。

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15年ぶりの新ガイドライン

この糖尿病性網膜症に関し、米国糖尿病学会(ADA)が最新のガイドラインを公開しました。2002年から15年ぶりに改訂されたもので、同疾患の予防や診断評価、治療、糖尿病の管理改善などに関する指針がまとめられています。ガイドライン全文は、「Diabetes Care」の2月21日付オンライン版で公開されました。

発表に際し、「Diabetes Care」誌のThomas W. Gardner医師は、この10年間で関連する研究と技術には大きな進展がみられたとし、それらが糖尿病性網膜症の診断と治療をより容易かつ適確に行うためのサポートとして働いているほか、投薬治療の進歩により治療選択肢も増加、患者は合併症の進行を抑制したり回避したりすることができやすくなったとコメントしています。

改訂版のガイドラインには、新たな診断法として普及してきた光干渉断層法や網膜内病変および広域眼底撮影法を踏まえ、利用する際の注意点などに関する勧告情報が含まれました。また、新治療法として注目されている抗血管内皮成長因子剤の硝子体内注射についての解説、注意情報も盛り込まれています。

眼科を積極的に受診しよう!

ガイドラインは、45以上の最新研究から得られたデータや情報を収集し、それらを精査して、眼科専門家チームによる知見と勧告から作成されており、糖尿病性網膜症の病期に関する概説から推奨されるケアの最新情報まで幅広くカバーしています。

おおもとの疾患である糖尿病の管理を徹底することが重要という見解があらためて示され、血糖コントロールを良好にするとともに、血圧管理を適正に行うことが必要とされました。

患者に対し厳格な血糖コントロールを行うことで、糖尿病性網膜症の発症リスクを低下させたり、進行を抑制させたりすることができたとする複数の研究報告を引用しながらこれを示し、それによって得られたベネフィットは長期間持続するとの見解も公式に示しています。

糖尿病有病者には、異常を感じていない段階であっても積極的に定期的な眼科受診を行うようアドバイスし、1型糖尿病患者では、診断から少なくとも5年以内に1度、2型糖尿病患者では確定診断を受けた時点で、それぞれ総合的な眼科検診を受けることを推奨するともしました。

(画像は写真素材 足成より)

外部リンク

米国糖尿病学会 プレスリリース

http://www.diabetes.org/

Diabetes Care : Diabetic Retinopathy : A Position Statement by the American Diabetes Association(ガイドライン全文)

http://care.diabetesjournals.org/content/40/3/412