2016/12/21

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脳出血を招く糖尿病

糖尿病が進行すると、網膜症や腎症、脳梗塞、神経障害など様々な合併症を起こす可能性があります。糖尿病は完治が難しい病気であるため、血糖をコントロールして発症を予防することが大切です。今回は、糖尿病の合併症の1つである脳溢血の症状と治療法について解説します。

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脳出血とは

脳出血とは、脳の血管が破れて脳内で出血が起きている状態です。他にも、脳の血管障害には、血管が詰まる脳梗塞、脳の表面を覆うくも膜の下で出血が起こるくも膜下出血などがあります。これらを全てまとめて「脳血管障害 」といいます。

糖尿病は、血液中のブドウ糖を肝臓や筋肉に取り込んでエネルギーとして利用するインスリンの分泌量や作用が低下し、高血糖状態が続く病気です。高血糖状態は、血管を傷つけやすくなります。一方で動脈硬化がみられる場合、血管のしなやかさが減り、血管の壁にプラークといった塊ができやすくなります。プラークができている血管は、何らかの原因で破裂しやすくなります。その結果動脈硬化と糖尿病の患者さんは、脳の血管壁が破れやすく、脳出血を引き起こす恐れが高くなります。

脳出血の症状

脳出血では、次のような症状が現れます。ただし、脳出血の部位や個人差によって症状や程度は異なります。

(1)頭痛
突然の激しい頭痛、意識障害を起こします。脳の内容量は一定ですが、出血をすることにより脳の内容量が増加します。その結果、脳内の圧迫が起こることで頭痛、吐き気、嘔吐、意識障害、めまいなどが起こります。

(2)麻痺や痺れ
脳出血が起きた場合、脳出血を起こした部位によって麻痺や痺れが起こります。症状には個人差があり、早期にリハビリテーションを始めることで機能の回復が見込める場合もあります。

(3)失語症
脳には、言葉を司る神経があります。その部位が障害を受けると、2通りの失語症が起こる場合があります。
一つ目は、運動性失語(ブローカ失語)です。相手の話す言葉は理解できますが、自分の話す言葉を間違ったり、スムーズに話せなかったり、文字が書けなくなります。 2つ目は、感覚性失語(ウェルニッケ失語)です。相手の言っていることや書かれていることが理解できません。発語はスムーズですが、間違いが多く話も支離滅裂です。文字は書けますが、何を書いているか意味不明です。

脳出血の治療

脳出血が進行すると、出血が拡大する恐れがあります。処置が遅れると脳の障害部位の回復までに時間がかかったり、身体的機能低下の回復が難しい場合があります。そのため、症状がみられたら速やかに受診することが重要です。
治療では、血圧を安定させるために血圧降下薬を使用する場合が多いです。その結果、脳出血の拡大や再出血を防ぎます。また、出血箇所の周囲がむくむ「脳浮腫」の場合は、頭蓋内圧降下薬を使用する場合があります。
大量出血により生命に危険が及んでいる場合は、溜まった血液を除去する手術を行います。

<まとめ>
糖尿病により血管に障害が起こると、脳出血を起こす恐れがあります。血糖をコントロールして、合併症が出現するリスクを減らしましょう。医師や医療従事者の指導を受け、食事療法や運動療法、薬物療法を行いましょう。