2016/12/22

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高血糖を防ぐ糖尿病治療薬「二糖類水解酵素阻害薬」とは?

糖質を摂取すると、血糖値が上昇します。血糖値は高過ぎても低過ぎても身体に悪影響が及びます。今回は、食後血糖値の急激な上昇を防ぐ糖尿病治療薬「二糖類水解酵素阻害薬」について解説します。

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二糖類とは

糖質は小腸でブドウ糖に分解されたあと、吸収されます。ブドウ糖は、それ以上分解することができない糖である「単糖」に属します。2つの単糖が結合したものを二糖類といいます。単糖と二糖類は吸収されるのが早いため、血糖値の急激な上昇を招きやすいといわれています。血糖値が上昇すると、膵臓からインスリンというホルモンが分泌され、血液中のブドウ糖を細胞に取り込むことで血糖値が低下します。血糖値が急激に上昇すると、大量にインスリンが分泌されます。このような状況が繰り返されると、インスリンの分泌量や作用が低下して血糖値が高い状態が続くようになります。この状態が2型糖尿病です。

二糖類水解酵素阻害薬とは

小腸から分泌される二糖類水解酵素(α-グルコシターゼ)の働きにより、二糖類がブドウ糖へと分解されます。二糖類水解酵素阻害薬は、二糖類水解酵素による糖質がブドウ糖に分解される作用を抑え、ブドウ糖の吸収を遅くすることで血糖値の急激な上昇を防ぐ薬です。原則1日3回、食事の直前に服用しましょう。

ブドウ糖や果糖などの単糖を含む飲食物(ジュースや菓子類など)を摂取した際には吸収を遅らせることはできず、血糖値の急激な上昇を招く恐れがあります。また、二糖類水解酵素阻害薬を服用中にインスリン製剤など血糖値を下げる薬により低血糖が引き起こされた際には、二糖類や単糖類でなく、単糖類であるブドウ糖や果糖を摂取し、速やかに血糖値を上げなければなりません。

二糖類水解酵素阻害薬の副作用

小腸でブドウ糖に分解されきれずに残った糖質は、大腸で腸内細菌に分解されます。その際にはガスが発生するため、腹部の膨満感や放屁などの症状が現れます。また、この症状は服用し始めた頃に現れやすいですが、服用を続けているうちに治まることが多いようです。

<まとめ>
糖質は小腸で二糖類水解酵素によりブドウ糖に分解されたあと、吸収されます。水解酵素阻害薬は水解酵素の働きを抑え、ブドウ糖に分解されるのを遅らせることで血糖値の急激な上昇を防ぐ薬です。服用中に低血糖を起こした場合は、二糖類ではなく単糖類を摂取しましょう。