2016/11/02

15,093 view

糖尿病性腎症との関係も深いネフローゼ症候群とは?その原因や症状、治療法について

ネフローゼ症候群は、腎臓の病気が原因で起こるため、酷いむくみが特徴です。ネフローゼ症候群は、原因疾患が一つではなく色々あります。糖尿病腎症も、ネフローゼ症候群を発症させる原因の一つです。病気によって治療方法も異なる、ネフローゼ症候群の原因や治療方法について解説します。

シェア

ツイート

ネフローゼ症候群とは?糖尿病との関係は?

ネフローゼ症候群は、腎組織である「糸球体基底膜(血液をろ過し尿を作る部分)」に障害が起こり、漏れることのない高分子蛋白質(主としてアルブミン)が尿に大量に流れ出てしまうと「低蛋白血症(低アルブミン血症)」や、むくみの症状が現れます。この状態のことを「ネフローゼ症候群」と呼んでいます。むくみは、尿中に蛋白質が大量に出たことによる「血漿膠質(けっしょうこうしつ)」の低下や循環血漿量の増加などが原因とされています。むくみの見分け方として、太ももの内側やふくらはぎなどを指で押した時に1回へこんで元に戻ると普通のむくみで、病気の場合のむくみは指で押してもへこまないのが特徴です。

「血漿膠質」とは血管内に水分を保持する力のことです。「循環血漿量」とは循環血液量(身体全体の血液の量)から血球成分(赤血球、白血球、血小板)を除いたもので、循環血液量の約半分程度です。

ネフローゼ症候群は2つに分類されます

ネフローゼ症候群には、一次性(原発性)と、二次性(続発性)の2つに分類されます。一次性は腎臓の糸球体が病変する腎臓自体が原因です。二次性は糖尿病や膠原病、感染症などの全身疾患に伴う原因が挙げられています。糖尿病の場合のネフローゼ症候群は、糖尿病腎症によって発症するので二次性ということになります。ネフローゼ症候群を発症して1~2年で腎不全になる可能性もあるといわれています。

ネフローゼ症候群が起こると、顔や手足にむくみの症状が現れ、酷いときは全身にむくみが出たり、胸部や腹部に水が溜まる、尿がでにくいなどの腎機能障害や低血圧などの症状もみられます。血液が凝固しやすくなり、腎静脈、下肢深部静脈に血栓症を起こすこともあります。

ネフローゼ症候群の治療方法

ネフローゼ症候群の診断は、症状に加えて尿や血液の検査を通じて診断が下されます。また、1日の蛋白尿量血性アルブミン量を検査し、他の診断基準と共に判断されます。診断の結果、ネフローゼ症候群と判明した場合は治療に入ります。入院が原則で、安静にしながら食事療法と原因になった病気の治療をします。糖尿病などの全身性疾患が原因でネフローゼ症候群が起こった場合は、基礎疾患を優先にします。むくみには利尿薬が使用されます。胸水や腹水など末梢循環不全状態などの症状があるときは、アルブミン製剤を用いることもありますが、効果が一時的なことと、腎障害(尿蛋白の増加により)を助長する恐れがあるので注意しながら使用します。体に溜まった水分を除去するために機械を使用し、血液透析を行う場合もあります。

ネフローゼ症候群の食事は、塩分とタンパク質を制限したものになります。タンパク質を制限するのは、低下している腎臓への負担を軽減するためです。食事制限はそれほど厳しいものではありませんが、むくみが酷い場合には、水分にも多少の制限がかかります。糖尿病や糖尿病腎症の方は、症状により糖尿病食か腎症食が適用されます。

まとめ

ネフローゼ症候群にならないようにするには、腎臓機能を低下させないことです。糖尿病性腎症の方は、悪化してしまうと腎不全になり人工透析になってしまいます。疾患によって治療方法が違いますが、糖尿病の方は糖尿の治療をするので、日頃の血糖コントロールが重要になります。