2016/11/02

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糖尿病性腎症5つの病期。顕性腎症や透析療法期とはどのような段階?

糖尿病の合併症の一つに、糖尿病性腎症があります。糖尿病腎症には5つの病期があり、顕性腎症期に入る前に発見できれば、改善に向けた治療が可能です。今回は、糖尿病性腎症の病期について解説します。

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糖尿病の合併症である糖尿病性腎症

糖尿病により高血糖状態が長く続くと、血管に負担がかかり全身の血管の脆弱が進みます。特に毛細血管により構成されている腎臓の糸球体では細かな血管が壊れやすく、網の目が詰まると老廃物をろ過できなくなります。

これにより、発症する腎症が糖尿病腎症です。糖尿病腎症は発症してしばらくしないと、尿が出ないなどの症状が起きないため、発見が遅れる場合が多いです。透析患者の約44.1%は糖尿病腎症が原因というデータがあります。

糖尿病性腎症の病期分類

糖尿病性腎症は5つの病期分類があります。これらの腎症診断は尿中に含まれるアルブミン量を検出することで行うことができます。

(1)腎症前期
アルブミン値が30mg/gCr以上で腎機能が30 ml/分/1.73m2以上の状態です。血糖コントロールで治療します。高血圧を合併している場合は降圧治療が必要です。

(2)早期腎症期
アルブミン値が30~299mg/gCr以上で腎機能が30 ml/分/1.73m2以上の状態です。血糖コントロールと降圧治療により治療します。

(3)顕性腎症期
アルブミン値が300mg/gCr以上、もしくは持続性タンパク尿が0.5g/gCr以上で腎機能が30 ml/分/1.73m2以上の状態です。血糖コントロール、降圧治療に加え、タンパク質制限が必要になります。

(4)腎不全期
アルブミン値に関わらず腎機能が30 ml/分/1.73m2未満の状態です。降圧治療、低タンパク食の他、透析が開始される場合もあります。

(5)透析療法期
透析療法が必要な段階が透析療法期です。腎移植が必要になる場合もあります。

顕性腎症になる前の早期治療が大切

糖尿病腎症は腎症前期から順に進行していき、腎症前期、早期腎症期の段階では自覚症状がない場合が多いです。顕性腎症期に入るとむくみや息切れ、食欲不振、満腹感などの症状が現れ、腎不全期以降は易労感、嘔気、筋肉や骨の痛み、手の痺れなどが現れます。

糖尿病性腎症は早期腎症期までに発見されれば改善に向けた治療ができますが、顕性腎症期を過ぎると進行を遅らせることはできても、改善することはできません。

糖尿病性腎症は早期発見が何より大切です。顕性腎症期を過ぎると根治が難しいため、定期検診を怠らないようにしましょう。