2016/09/30

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糖尿病治療で注目を集めるホルモン、アミリンとは?

長い間、インスリンは糖尿病治療に有効なホルモンとして知られてきました。しかし、近年、インスリンの他にも糖尿病治療に役立つホルモンが注目を集めています。今回はそのホルモンの一つ、アミリンについて解説します。

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糖尿病治療で注目されるグルカゴン

糖尿病を治療する上で、これまでは膵臓から分泌されるホルモンであるインスリンが注目されてきました。近年、インスリンと深い関わりがあるホルモンとして注目されているのがグルカゴンです。グルカゴンは膵臓のα細胞で分泌されるホルモンで、主に以下の働きがあります。

◆肝臓の働きで蓄えられているグリコーゲンをブドウ糖に分解する
◆グリコーゲンの合成を抑える
◆アミノ酸からブドウ糖を合成し、血糖値を上げる

このようにグルカゴンには、血糖値を下げる働きがあるインスリンと逆の働きがあります。

グルカゴン分泌を抑えるアミリン

アミリンは血糖値が高い時に膵臓のβ細胞から分泌されるペプチドホルモンです。インスリンと共に分泌されます。アミリンには食後のグルカゴン分泌を抑え、食べ物の吸収を遅らせることで血糖値を調節する作用があります。

アミリンにはインスリン分泌を補う働きはありません。しかし、血糖値を下げるために必要なインスリン量を少なくすることで血糖コントロールをしやすくする効果が期待できます。

アミリンに関わる糖尿病治療薬が開発された

2005年3月、アメリカの食品医薬品局が新たな糖尿病の治療薬を承認しました。この薬はインスリンの投与のみで十分な血糖コントロールが見込めない患者に対し使われるもので、アミリンの生成を促す作用があります。インスリンと共に食事の際に注射することで食後3時間の血糖値を下げる効果が期待できます。

この薬は1型糖尿病にとってはインスリン以来80年ぶりの新薬です。1型糖尿病患者が投与することで吐き気や嘔吐などの副作用が現れる場合や低血糖状態に陥る場合もあるようですが、その治療効果が期待されています。

糖尿病患者の治療方法を考える上で注目されてきたインスリンですが、現在では他にもグルカゴンやアミリンなど重要視されているホルモンがあります。新薬が登場した場合は、どのようなメカニズムで開発されたのか確認してみると良いでしょう。