2016/09/30

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糖尿病神経障害による筋委縮の原因と諸症状

糖尿病で高血糖状態が続くと神経障害を招き、筋萎縮や手足の痛み、痺れなど様々な症状が引き起こされる場合があります。放置すると悪化し、感覚障害を起こすこともあります。今回は、糖尿病神経障害による筋委縮の原因と諸症状について解説します。

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糖尿病が原因で筋萎縮が起こる

糖尿病の合併症の1つに糖尿病性神経障害があります。筋萎縮は糖尿病性神経障害の症状の1つです。糖尿病神経障害の原因は、糖尿病による高血糖状態が続くと神経の変性や血流低下が起こり、神経伝達が正常に行われなくなることだと考えられています。自律神経症状と感覚および運動神経症状が現れます。筋萎縮は運動神経症状に分類され、臀部や太もも、脚などに起こることが多いようです。

糖尿病神経障害の進行

糖尿病神経障害の初期では、末端部分に痺れや痛みなどが現れます。進行すると温度や痛みなどの感覚が麻痺するため、神経障害が起きている部位に身に覚えが無い傷を作ることがあります。また、高血糖状態は血流が悪化し、赤血球や血小板などが十分に行き渡らなくなるため、傷の治りが遅くなる傾向があります。傷口が化膿して壊疽を起こし、切断を余儀なくされる場合もあります。

糖尿病性神経障害の診断

糖尿病性神経障害が疑われる場合は、神経の伝達速度を調べる神経伝導検査という検査が行われます。神経障害があると神経の伝達速度が基準よりも遅くなります。糖尿病性神経障害には代謝性と虚血性があります。それぞれの特徴は次の通りです。

(1)代謝性
高血糖状態が続くことで神経細胞内にソルビトールという物質が蓄積されます。それにより神経細胞がダメージを受けて神経が障害されます。左右対称の感覚障害や自律神経障害を伴います。

(2)虚血性
高血糖状態が続くと血液の粘度が高くなり血流が低下します。その結果、神経に十分な酸素や栄養が行き届かなくなります。虚血性のものは症状が左右非対称で起こることが特徴です。

代謝性の神経障害の治療には、血糖コントロールに加え、ソルビトールを蓄積させないようアルドース還元酵素阻害薬が用いられます。虚血性の神経症状には、血行を改善するための治療が適応されます。また、痛みがある場合は糖尿病性神経障害治療薬や抗けいれん薬などで対処します。

<まとめ>
糖尿病性神経障害を起こすと筋萎縮が生じることがあります。これを糖尿病神経障害による筋委縮といいます。糖尿病性神経障害の治療により筋萎縮の進行を止めることができる場合があります。