2016/09/14

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微量アルブミン尿検査で早期発見できる糖尿病性腎症

糖尿病の合併症の一つである糖尿病性腎症は自覚症状がない場合が多く、発見が遅れやすい病気です。しかし微量アルブミン尿検査をすることで、早期発見につなげることができます。今回は糖尿病性腎症について解説します。

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糖尿病性腎症とは?

糖尿病の合併症の一つとして挙げられるのが、糖尿病性腎症です。糖尿病により、高血糖の状態が長く続くと、全身の動脈硬化が進行します。これにより老廃物をろ過できなくなると、腎臓の機能が低下して糖尿病性腎症となります。自覚症状がない場合が多く、進行してから発見されることが多いです。

アルブミン尿が診断基準に

糖尿病性腎症は進行すると以下の症状が現れます。

◆むくみ
◆息切れ
◆食欲不振
◆満腹感
◆易疲労感
◆嘔気
◆嘔吐
◆筋肉の硬直
◆よくつる
◆筋肉や骨の痛み
◆手足の痺れ
◆腹痛
◆発熱

これらの症状が現れた場合進行を遅らせることはできますが、完治させるための治療はほとんどできません。糖尿病性腎症は、できるだけ早めに見つけることがとても大切です。

糖尿病性腎症の早期発見に有効なのが、微量アルブミン尿検査です。アルブミンとはタンパク質のことです。腎機能が正常であればタンパク質は体内に取り入れられ、尿中に混じることはほとんどありませんが、腎症の場合はタンパク質が尿中に混ざります。アルブミン値が30~299mg/gCrの場合は微量アルブミン尿、300 mg/gCrの場合は顕性アルブミン尿と判断されます。微量アルブミン尿の段階で発見されれば、回復に向けた治療が可能です。

糖尿病性腎症の治療法

糖尿病性腎症の治療には、血糖コントロールと血圧コントロールが有効です。

(1)血糖コントロール
食事療法を中心に行います。食事療法は糖尿病の時点で既に取り組みますが、これに加えて慢性腎不全の食事療法が必要になります。しかし、糖尿病と慢性腎不全の食事療法の考え方は矛盾する部分も多いです。間違った方法で進めない様、あらかじめ医師や栄養士から指導を受ける必要があります。

(2)血圧コントロール
アンジオテンシン変換酵素阻害薬、アンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬などを使用した薬物療法が中心です。この他、カルシウム拮抗薬や利尿薬を使用することもあります。

糖尿病の合併症である糖尿病性腎症は発見が遅れやすい病気ですが、アルブミン尿を調べる検査で早期発見し、治療を進めることができます。糖尿病の方は、定期的に微量アルブミン検査を受けましょう。