2019/07/04

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非肥満者は内臓脂肪より脂肪肝が強くインスリン抵抗性と関連

順天堂大学大学院医学研究科 代謝内分泌内科学・スポートロジーセンターの田村好史准教授、河盛隆造特任教授、綿田裕孝教授らの研究グループは、非肥満者が生活習慣病になる原因を究明し、非肥満者では内臓脂肪の蓄積よりも脂肪肝が筋肉の代謝障害と強く関連することを明らかにしました。

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非肥満者が生活習慣病になる原因を究明

アジア人は、非肥満でも生活習慣病(代謝異常)になる人が極めて多いのが現状ですが、その理由はよくわかっていません。今回の研究成果は、非肥満者の生活習慣病予防において、内臓脂肪だけでなく脂肪肝への注意が必要であることを示しており、予防医学を推進する上で有益な情報であると考えられます。成果は米国内分泌学会雑誌『Journal of the Endocrine Society』のオンライン版(2019年5月20日付)で公開されました。研究成果のポイントは次の通りです。

① 日本人男性の正常体重の人でも、内臓脂肪や肝脂肪の蓄積が認められる人がおり、様々な蓄積パターンがあった。 ② 内臓脂肪蓄積がなくても、脂肪肝があると筋肉のインスリン抵抗性(代謝障害)を認め、これとは逆に内臓脂肪蓄積があっても脂肪肝がなければインスリン抵抗性を認めなかった。 ③ 脂肪肝がある人には筋肉のインスリン抵抗性を改善する運動などが推奨される。

2-ステップ高インスリン正常血糖クランプ法で大規模調査

研究グループは、BMIが正常範囲内(21~25 kg/m2)の日本人男性(87名)を対象に、全身の代謝状態や脂肪分布に関する調査を行いました。

内臓脂肪量と脂肪肝はMRI装置を用いて計測し、脂肪及び肝臓、骨格筋のインスリン抵抗性(インスリン感受性が低下している状態)を、2-ステップ高インスリン正常血糖クランプ法で測定しました。このクランプ法は一人の計測に大よそ10時間程度を要する大変な検査のため、今回のような規模で行ったのは、世界でも本研究グループ以外に前例がありません。この方法により脂肪組織インスリン抵抗性(リピッドスピルオーバーの指標)や骨格筋インスリン抵抗性などを評価しました。

その結果、対象者の内臓脂肪量と肝脂肪量の関連において、全体的に正相関するものの、様々なパターンがあることが分かりました(図1)。細かく分析すると、内臓脂肪蓄積がなくても、脂肪肝があると脂肪組織と骨格筋のインスリン感受性の低下(インスリン抵抗性)を認め、これとは逆に内臓脂肪蓄積があっても脂肪肝がなければインスリン感受性は良好であること、内臓脂肪蓄積と脂肪肝が両方あっても、脂肪肝単独とインスリン抵抗性は同程度であることが分かりました(図2)。

脂肪組織インスリン感受性も同様の結果であったことから、非肥満の日本人男性では内臓脂肪蓄積よりも脂肪肝の方がより強くインスリン抵抗性と関連することが明らかとなりました。詳しい内容については下記外部リンクよりご覧ください。

(画像は公式HPより)

外部リンク

非肥満者では内臓脂肪の蓄積よりも脂肪肝が筋肉の代謝障害と強く関連する

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