2017/10/11

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リラグルチド、内臓脂肪減少と膵β細胞の機能改善に効果

肥満と2型糖尿病には密接な関連性があり、肥満状態にある場合では、2型糖尿病および心血管系疾患の発現リスクが非常に高くなることが知られています。よって疾患の発現や進行が生じる前に、できる限り状態を改善する必要があるといえます。

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GLP-1受容体作動薬のリラグルチドが効果的

こうした肥満患者や糖尿病の早期患者におけるリスク管理を考えるうえで、注目すべき研究報告がこのほどなされました。研究を行ったのは、Francesca Santilli氏、Agostino Consoli氏らのグループで、その結果をまとめた論文が「Diabetes Care」オンライン版に9月14日付で掲載されています。

研究グループでは、肥満状態にあり糖尿病前症または新規に2型糖尿病と診断されたばかりの、メトホルミン投与治療を受けている患者62人を対象として、患者らをGLP-1受容体作動薬であるリラグルチドを1日あたり1.8mg投与する群と、生活習慣のカウンセリング指導を行う群とに無作為で割り付けました。

そして、腹部MRIによって評価した皮下脂肪組織と内臓脂肪組織の量と、Matsuda指標に基づくインスリン感受性レベル、膵β細胞の機能を示す指標について変化を比較したほか、研究開始時点から7%に設定する減量の達成とその前後における血清インスリン様成長因子のレベルについて測定を行っています。

リラグルチド投与群で内臓脂肪が大きく減少、膵β細胞の働きも改善

試験の結果、目標とした減量を各群20人が達成し、HbA1c値についても同程度の改善がみられた血糖コントロール状態にある対象者で、リラグルチド投与群と生活習慣カウンセリング指導群を比較したところ、リラグルチド投与群では、内臓脂肪組織の量が有意に大きく減少していました。

一方で、皮下脂肪組織量については、両群の有意な差は認められなかったそうです。また、リラグルチドを投与した群のみで、血清インスリン様成長因子-2(IGF-II)の濃度が有意に上昇し、この上昇傾向は内臓脂肪組織量の減少や、膵β細胞の機能改善を反映する指数の増加と関連していることが明らかになりました。

これらの結果から研究グループでは、肥満状態にあり、グルコース代謝調節不全の初期段階にある糖尿病前症や発症早期の患者に対し、リラグルチドを投与する治療を行うことは、内臓脂肪型肥満の改善と膵β細胞機能に対する有効性から、有用と認められる可能性が高いとしています。

外部リンク

Diabetes Care : Effects of Liraglutide on Weight Loss, Fat Distribution, and β-Cell Function in Obese Subjects With Prediabetes or Early Type 2 Diabetes