2017/09/25

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注目のインターミッテント・ファスティングは糖尿病にも有効か

近年、断続的に食事制限を実行する「インターミッテント・ファスティング(Intermittent Fasting)」が健康的な生活や長寿に寄与するとして注目を集めていますが、単なる流行ではなく、科学的にみても糖尿病に良い影響を与える可能性があるとする研究報告がなされ、話題となっています。

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断続的な断食・食事制限の効果を検討

Min Wei氏、Valter D. Longo氏らの研究グループは、これまでに断続的な断食を行う、この「インターミッテント・ファスティング」で、マウスにおいては代謝系の改善傾向が確認されたことを受け、ヒトの場合でも良い影響がもたらされるか、安全性に問題はないかを検討する調査を実施しました。この研究成果をまとめた論文は、「Science Translational Medicine」に掲載されています。

まず健常な100人の被験者を対象に、2つのグループへとランダムに分け、一方のグループには、カロリーや糖、タンパク質が低減され、生活習慣病などの疾患に関連するリスクファクターでありマーカーとなる不飽和脂肪酸は高くなるような、断食模倣食の5日を含む1カ月の食生活を送ってもらい、一方のグループではとくに制限を行わない通常の食生活を送ってもらうものとしました。

3カ月間その状態を続けてもらった後、71人には断食模倣食を含む制限付きのサイクルへ移行してもらい、サイクルにして3回、3カ月のプログラムを完了してもらいました。評価にあたっては、全被験者について、体重や体脂肪率、BMI値、血圧、老化や疾患にも関わるインスリン様増殖因子IGF-1、コレステロール値、血糖値などの変化について調べています。

テスト開始時にリスク高の被験者で大きな改善を確認

まず3カ月後の時点で、インターミッテント・ファスティングのスタイルといえる5日間の断食模倣食を挟んだ群では、3回のサイクルで体重や胴囲、体脂肪の減少、血圧の低下がみられました。IGF-1の減少も確認されています。一方、重大な副作用はみられませんでした。

さらに断食模倣食を含むスケジュールへと移行してもらい、サイクルにして3回実行してもらったところ、事後解析により、試験開始時点で肥満や高血糖の傾向があるリスクの高い被験者で、そうしたリスクを有しない被験者よりも、BMI値や血圧、空腹時血糖、IGF-1、トリグリセリド(中性脂肪)、総コレステロールおよびLDLコレステロール、炎症マーカーであるC反応性タンパクで、より有意に良い影響がもたらされていたことが分かったそうです。

研究グループでは、今回の被験者数が比較的少数で限定的であることなどに限界があり、より大きな詳細にわたる研究を行う必要があるとしつつ、こうした比較的手軽に実践できる断食模倣食を挟む食のサイクルスケジュールが、代謝系の健康に有益な影響を与え、疾患の予防や治療につながる可能性もあるとしました。

外部リンク

Science Translational Medicine : Fasting-mimicking diet and markers/risk factors for aging, diabetes, cancer, and cardiovascular disease