2017/08/09

82 view

受診中の血糖値・HbA1c変動はアルツハイマー病のリスクと関連

2型糖尿病患者では、認知症のリスクが高まるとされていますが、血糖値変動とアルツハイマー病の発症との関連性などは、今なお十分に明らかとはなっていません。そこでこの関係の検証を試みた最新の研究成果が、このほど報告されました。

シェア

ツイート

台湾における研究で関係性を検証

研究を実施したのはTsai-Chung Li氏らのグループで、成果をまとめた論文は「Diabetes Care」オンライン版に、7月13日付で掲載されています。

研究グループは、まず全国糖尿病ケアマネジメントプログラムに参加した、60歳以上の2型糖尿病患者データを収集、ベースライン時点ではアルツハイマー病の診断を受けていない16,706人を対象として、外来受診間における空腹時血糖値の変動やHbA1c値の変動、従来用いられてきたリスク関連因子などと、アルツハイマー病の発症における関連性の評価・検討を試みました。

なおアルツハイマー病の発現における死亡率の競合リスクに関しては、拡張型Cox比例ハザード回帰モデルを用いて分析しています。

空腹時血糖値の変動、HbA1c値の変動は独立予測因子

中央値8.88年の追跡調査を実施したところ、期間中に831例のアルツハイマー病発症例が確認され、その発生率は1,000人年あたり3.5となっていました。

社会的因子や生活習慣における行動因子、その他の糖尿病関連因子といった、結果に影響を与える要素の調整を行っても、被験者における空腹時血糖値の変動とHbA1c値の変動係数は、いずれもアルツハイマー病発症と有意に関連するものとなっていたそうです。

変動に応じた分類を行い、ハザード比を算出したところ、それぞれ空腹時血糖値の変動係数における三分位の最大、3番目となるグループでは1.27となり、HbA1c値の変動係数では、同じく三分位の3番目のグループで、1.32となったことも報告されています。

これらの結果から研究グループでは、空腹時血糖値の変動係数とHbA1c値の変動係数は、いずれも独立してアルツハイマー病の発症と関連しており、将来の発現リスクをみる予測因子と認められるとしました。

また、この結果に関連する病態生理学的メカニズムの詳細については、さらなる研究が必要だともし、こうした2型糖尿病患者の空腹時血糖値やHbA1c値の変動を治療標的とすることで、アルツハイマー病のリスクを低減させられるかどうか、評価・検討していくことが求められるとしています。

外部リンク

Diabetes Care : Visit-to-Visit Variations in Fasting Plasma Glucose and HbA1c Associated With an Increased Risk of Alzheimer Disease : Taiwan Diabetes Study