2017/07/03

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中国が世界最悪規模で糖尿病の危機に直面

糖尿病は日本国内でも非常に罹患者数の多い疾患となっていますが、世界の患者数も年々増加しており、大きな社会問題、公衆衛生上の問題となっています。なかでも多くの人口を抱え、急速な発展をみせる中国における事態は、きわめて深刻であることが最新の研究報告で明らかになりました。

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全人口の1割強が発症、4割弱は予備軍か

研究はLimin Wang氏らのグループによって行われたもので、中国疾病予防管理センター(Chinese Center for Disease Control and Prevention)の協力のもと、2013年のデータから中国における 糖尿病 の実態を分析したものになっています。分析結果をまとめた論文は、「Journal of the American Medical Association(JAMA)」に6月27日付で掲載されました。

対象となったデータは、170,287人分の中国国内調査参加者によるもので、この2013年における横断調査分析から、 糖尿病 の実態把握を試みています。研究グループでは、被験者全員について、空腹時血糖値とHbA1c値の測定を行い、糖尿病の確定診断を受けていない人については、全員に2時間の経口糖負荷試験も実施しました。

糖尿病 と糖尿病前症(予備軍)は、米国糖尿病学会の基準に従って定義し、HbA1c値が7.0%未満に抑えられている場合、良好な血糖コントロールが図れていると判断したそうです。なお中国国内の少数民族グループと漢民族との比較も行われており、チベット系、チワン族、満州民族、ウイグル族、ムスリムといった人々の各1,000人以上が被験者に含まれています。

治療者ではおよそ半数がコントロール良好も予備軍や未治療者多数

分析の結果、中国の成人人口のうち、 糖尿病 の確定診断を受けていないものの発症していると推定される、糖尿病標準罹患率は10.9%にのぼることが分かりました。また、糖尿病前症にあたる人は全人口の35.7%にもなると推計されています。

糖尿病 の診断を受けている人は4.0%で、そのうち36.5%が自身の診断結果について把握・認識しており、32.2%は治療を開始していました。治療を受けている人では、良好な血糖コントロールを達成している人の割合が49.2%だったとされています。

民族間の比較では、漢民族の被験者に比べ、チベット系民族と中国系ムスリムの人々では 糖尿病 罹患率が有意に低く、漢民族の14.7%に対し、チベット系では4.3%、中国系ムスリムでは10.6%となっていました。

多変量ロジスティックモデルによる調整済みオッズ比でみても、漢民族に対し、チベット系民族では 糖尿病 発症が0.42、糖尿病前症は0.77となったほか、中国系ムスリムの人々は糖尿病発症が0.73、糖尿病前症が0.78となり、いずれも低い傾向が確認されています。

外部リンク

JAMA : Prevalence and Ethnic Pattern of Diabetes and Prediabetes in China in 2013