ダブルケアを知っていますか?~「ダブルケアに関する調査2018」

2019年5月17日

女性の晩婚化、晩産化に伴い子育てをする年齢と、核家族に伴い両親の介護をする年齢が近づいています。人によっては、子育てと介護が同時進行する「ダブルケア」が行われています。ダブルケアに関しての調査は、2012年から横浜国立大学相馬直子教授とブリストル大学(英国)山下順子上級講師によって継続的に調査が行われています。また、2016年には内閣府によりダブルケアの調査が行われました。

ソニー生命保険株式会社では、2018年に3回目となる全国規模でのダブルケアに関する調査を行いました。その結果の一部についてご説明します。

この記事の執筆
認知症ねっとACADEMICS
認知症ねっと編集部
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この記事の目次
  1. ダブルケアの認知度
  2. ダブルケア、育児と介護どちらが先に始まったか
  3. ダブルケアの期間
  4. ダブルケアで負担に感じること
  5. ダブルケアの不安
  6. ダブルケアラー有職者が職場に求めること

ダブルケアの認知度

調査対象は、全国の大学生以下の子どもを持つ30歳~55歳の男女17,049名に子育てと親(または義親)の介護が同時期に発生する状況であるダブルケアについて自身の状況について聞きました。

「ダブルケアという言葉を聞いたことがあるか」という質問に「ある」が17.5%、「ない」が82.5%でした。ダブルケア経験別に聞いたことがある人は、ダブルケア経験がある人は30.1%、ダブルケア経験がない人は12.3%でした。男女別にみると、ダブルケアを聞いたことがある人は男性では14.5%、女性は21.0%でした。男性は年齢が上がるにつれ低くなりますが、女性は年齢が上がるほど高くなりました。 前回の調査と比べると、全体では2017年12.7%から2018年17.5%と上昇していました。

ダブルケア、育児と介護どちらが先に始まったか

ダブルケアを経験したことがある大学生以下の子どもを持つ父親・母親1,000名(男性500名、女性500名)を対象に、「自身が関わったダブルケアについて、育児と介護のどちらが先に始まったか」を聞いたところ、「育児が先だった」が82.1%、「介護が先だった」11.5%、「同時に始まった」6.4%でした。

ダブルケアの期間

現在はダブルケアに直面していないダブルケアラー457名に、どのくらいの期間ダブルケアを行っていたか過去の経験を聞いたところ、「1年以内」が33.3%、「1年超~3年以内」が28.2%、「3年超~6年以内」が20.4%でした。「10年超(計)」は10.0%で、平均期間は3.9年でした。

ダブルケアで負担に感じること

1,000名にダブルケアで負担に感じている(いた)ことを聞いたところ、「精神的にしんどい」が46.8%、「体力的にしんどい」が43.2%、「経済的負担」が33.5%、「子どもの世話を十分にできない」が30.7%、「親/義理の親の世話を十分にできない」が29.0%でした。「精神的にしんどい」は、年齢が上がるにつれて高くなりました。「子どもの世話を十分にできない」は、若い年代ほど高くなりました。

ダブルケアの不安

1,000名にダブルケアで不安(気がかり、心配)に思っている(いた)ことを聞いたところ、「家計・経済状況」が41.0%、「子どもへの影響」が39.1%、「自身の健康状況」31.4%、「家族の健康状況が24.4%、「親/義理の親への影響」が22.2%でした。「自身の健康状況」や「家族・親戚との人間関係」に対して男性よりも女性のほうが不安に感じる傾向がみられました。

ダブルケアラー有職者が職場に求めること

ダブルケアラー有職者436名にダブルケアと仕事の両立で苦労した点を聞いたところ、「子育てと介護のダブルケアという問題が認知されていない」が最も高く16.7%、「職場が両立しにくい環境」が15.4%でした。

ダブルケアラー有職者の中でも中心となって親・義親の世話・見守り・介護をしている(いた)人112名についてみると、「介護サービス利用と仕事の両立がしにくい」が20.5%、「子どもが保育園に入れず両立できない」が19.6%でした。

また、ダブルケアに直面中の有職者(436名)に、ダブルケアと仕事の両立のために職場に必要だと思うことを聞いたところ、「子育て・介護のための休暇を取りやすくする」が最も多く48.4%、「柔軟に出社時間を変えられるようにする」41.3%、「残業を減らす」が29.6%でした。休暇をとりやすい環境、出社時間を変更しやすい環境が求められているようです。

※グラフは研究結果を元に認知症ねっと編集部が作成

この記事を読んで初めて「ダブルケアを知った」という方もいらっしゃるかもしれません。ダブルケアラーの存在を知ることから始め、育児・介護しやすい環境や相談しやすい環境を整えること、そして、職場環境の整備を行うことが改善策につながると考えられます。

出典:ソニー生命保険株式会社“ダブルケアに関する調査2018” (2019年4月23日アクセス)


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