認知症のスティグマ(烙印)を解消したやさしい配慮【ADI国際会議】

2017年5月16日

4月26日から4日間に亘って、京都で開催されたADI(国際アルツハイマー病協会)国際会議。世界各国から専門家や当事者とその家族が集まりました。医療や介護、科学分野など、様々な発表が行われましたが、今回は当事者目線で工夫された、会場内における取り組みについて紹介します。

随所にちりばめられた認知症にやさしい配慮

来場者全員に配られたストラップ「ヘルプマーク」。手助けが必要なことを知らせる目印です。認知症の方だけでなく、身体の不自由な人など、なんらかの支援が必要な人が身につけるサインで、全国の自治体でも配られているもの。

前回ハンガリーで行われた同会議では、認知症当事者はその旨を示す名札が配られましたが、差別に繋がらない配慮として、今回はこのような形になりました。

また、会場の奥に位置する部屋には「リチャードテイラールーム」の表示が。一見、目的不明の部屋ですが、リチャード・テイラー氏は認知症当事者であり、国際認知症同盟の創立者の一人。一昨年亡くなった彼の名前を冠したその部屋は、当事者とその家族がくつろげる場所であり、同じ立場のほかの人々と知り合うきっかけづくりを目的に提供されていました。ここにも決して「認知症患者専用」などの表示はありません。

会場内にはオレンジの上着を着たたくさんのボランティアの姿も。会場誘導や探し物などの困りごとに対応するほか、立ち止まっている方に目線を合わせて話しかけるなどの積極的な対応が印象的でした。

スティグマ(烙印)からの解放

ここで言うスティグマとは認知症に対する偏見、負のレッテルこと。このスティグマについては、本会議でも人権に関る発表であったり、社会とのかかわりに関する分科会であったり、あちこちで耳にした単語です。世界中で、沢山の人が認知症のスティグマと戦っていました。

しかし少なくとも、4日間の会期を通じたこの会場にスティグマは存在しません。そして、認知症の有無に関らず、困っている人にはさりげないフォローが行き届いていました。

このような環境が社会に広く浸透してこそ、「認知症にやさしい社会」の実現に繋がるのではないでしょうか。

2017年ADI国際会議のプログラム内容については、順次紹介していく予定です。


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