せん妄の原因と対応

せん妄とは

頭が混乱し暴力が見られる事もありますが治療は可能

せん妄とは意識障害が起こり、頭が混乱した状態になっている事をいいます。何らかの原因で脳の機能が低下し、上手く神経を伝える事が出来なくなっています。幻覚を見る事もありますし、言葉をかけても落ち着く事が出来ず、興奮状態となって大声を出したり、暴力が見られる場合もあり、対応が難しく家族の負担になりやすいものです。また、夜になるとせん妄が出る「夜間せん妄」というものもあります。

最近の出来事を忘れていたり、今いる場所がわからなかったりして会話が上手く噛み合わず、せん妄が見られたら、認知症になってしまったのではないかと思われるかもしれませんが、認知症ではない事もあります。せん妄だけなら一時的なものとされ、回復は可能だとされています。


せん妄が起こる原因

せん妄の原因は薬や疾患などの直接因子と、環境や心理状態などの促進因子に分類できます。

直接因子

直接因子は疾患と薬物の2つに分けられます。疾患は脳神経障害(てんかん・血管障害など)や代謝障害(腎不全・肝不全・高血圧など)、呼吸・循環器障害(心不全・不整脈など)が原因となり得ます。また抗パーキンソン薬や抗精神薬などの薬剤の副作用でせん妄が起こる事もあります。お年寄りでは感染症や手術後に症状が出ることもあり、病院であることが分からなかったり、病室に猫がいるなどの厳格が見られることもあるようです。

促進因子

せん妄を促進させる因子として心理ストレスや環境の変化などがあります。同居の為の引越や施設入所、入院などの環境変化によりストレスを感じ、せん妄が起こる場合があります。また睡眠不足や昼夜逆転があると不安感やストレスが増大し、せん妄が出やすくなります。

>> よく寝ることがせん妄改善の第一歩。睡眠・昼夜逆転の対応法とは?


せん妄が起きた時の対応

暴力がある時は離れて様子をみましょう

興奮して暴れたりしますが、噛みつく、殴る蹴るなど、普段からは想像出来ないような行動に出る事があります。暴力が出ている時は離れましょう。止めようと対抗すると余計に興奮したり、転んで骨折するなど危険がありますので注意が必要です。

>> 暴力・暴言が出た際は?


ゆっくりはっきり穏やかに話しかける

言葉をかけても落ち着かないのは、聞こえていないからかもしれません。興奮で暴力が見られている時でも、頭の中はぼーっとしている状態だからです。はっきりゆっくりご本人の顔を見ながら話しましょう。怒るのではなく「大丈夫だから」と諭すように。またおかしいと感じる内容でも、幻覚を見ているせいかもしれませんので、否定はせず話を合わせながら聞いてあげてください。


せん妄の改善策

体調管理をしてください

お年寄りは水分補給が少なくなる事で脱水症状になりやすい為、お茶などが飲めているか、お通じがきちんとあって便秘になっていないかなどを、チェックするようにしてください。またお年寄りは夏場、冷房を使わない人が多く、これが元で脱水になる事があります。暑過ぎたり、寒過ぎたりならないように気をつけましょう。

部屋の環境を変え過ぎない

睡眠不足が続くと、認知症のお年寄りではなくてもイライラしてしまうものです。同居となって住み慣れた家から離れてしまった時などは、環境が変わり眠れなくなっている場合があります。畳に布団を敷いて寝ていたのが、ベッドにした為眠れなくなったという話もよく聞きます。出来るだけ同じ様な環境になるようにしましょう。引っ越しで元々使っていた寝具を新しく交換する事がありますが、元の寝具の方が良いです。残っていればそれを使う。残っていなければ枕などを変えて、眠りやすい環境にしてください。

>> 睡眠時に配慮したいこととは?


日中に起きていられるように工夫をする

昼夜逆転が起きている場合は、お昼に眠り過ぎてしまっているので、夜眠れなくて起きてしまうのです。日中に起きている時間を増やすのが一番です。部屋を暗くせず、カーテンを開けましょう。日中に話しかけたり、散歩に一緒に出かける、テレビを一緒に見るなど、関わる時間を増やしてみてください。認知症で介護度が出ておられる方であれば、日中活動出来るデイサービスなどの利用を、考えられても良いのではないでしょうか。

危険な物を部屋に置かない

また良い悪いなどの判断なく、手の届く所にあるもので暴力行為が見られる場合がありますので、危険だと思われるものは、部屋に置かないようにしてください。家族だけでなく、物を叩いて壊す事でご本人もケガをする場合があります。

受診したり、サポートを受ける

せん妄は治療が可能とされています。飲んでいる薬が原因の場合もありますので、まず受診してみてください。介護保険が使える状態なら、ケアマネージャーに相談するのも良いでしょう。せん妄が強い場合などは、介護を仕事にしているものでも対応が難しいものですので、家族だけで抱え込まずサポートを受けてください。


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