軽度認知障害(MCI)とは?

軽度認知障害(MCI)について解説します。認知症の前段階と言われる軽度認知障害(MCI)は、早期発見と予防が重要です。


この記事の目次
  1. MCIとは¹⁾
  2. MCI5つの定義¹⁾
  3. MCIになるとどうなるの?
  4. 早期発見の重要性
  5. MCIと診断されたら

MCIとは¹⁾

健常者と認知症の中間にあたる、MCI(Mild Cognitive Impairment:軽度認知障害)という段階(グレーゾーン)があります。MCIとは、認知機能に問題が生じてはいますが、日常生活には支障がない状態のことです。以下がMCIの定義になります。

MCI5つの定義¹⁾

1.本人または家族から記憶障害の訴えがある
2.日常生活動作は正常
3.全般的な認知機能は正常
4.年齢や教育レベルの影響のみでは説明できない記憶障害が存在する
5.認知症ではない

認知機能と時間の経過¹⁾

認知機能と時間の経過

MCIはその症状と対応によって回復したり、発症が遅延したりすることがあります。

MCIになるとどうなるの?

MCIを放置すると、認知機能の低下が続きます。MCIから認知症に症状が進展する人の割合は年平均で10%(※)と言われています。すなわち5年間で約40%の人は認知症へとステージが進行することになります。


5年間で約40%の人は認知症へ

5年間で約40%の人は認知症へ

※出典:Is MCI really just early dementia? A systematic review of conversion studies
※数値40%は出典の内容を元に認知症ねっと編集部にて計算

厚生労働省は、認知症とその予備群とされるMCIの人口は862万人存在すると発表しています。驚くべきことにこれは65歳以上の4人に1人です。意外に思われるかもしれませんが、認知症やMCIはとても身近なのです。


65歳以上の4人に1人はMCIもしくは認知症

65歳以上の4人に1人はMCIもしくは認知症

※出典:厚生労働省:認知症施策の現状について

早期発見の重要性

MCIは適切な治療・予防をすることで回復したり、発症が遅延したりすることがあります。一部の場合を除き認知症は完治できません(※)が、早期にMCIに気づき、対策を行うことで症状の進行を阻止することはとても大切です。

※脳腫瘍・慢性硬膜下血腫・正常圧水頭症・脳血管障害などの外科的治療の対象となる疾患。他にも脳症や、薬の副作用によるせん妄状態など治療可能な状態もあります。

認知機能と時間の経過

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MCIと診断されたら

MCIは適切な治療・予防をすることで回復したり、発症が遅延したりすることがあります。一部の場合を除き認知症は完治できませんが、早期にMCIに気づき、対策を行うことで症状の進行を阻止することはとても大切です。

食習慣を見直し、定期的な運動習慣、いろいろな人とコミュニケーションをとることで認知機能の改善や維持を図りましょう。

出典:1)今井幸充 認知症を進ませない生活と介護 法研,平成27年,p28~29,p60~61.
2)朝田隆 まだ間に合う!今すぐ始める認知症予防 講談社,2014,p16~17.
(2020年5月28日)


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