認知症ケア専門士とは

認知症ケア専門士とは

認知症ケア専門士は、一般社団法人日本認知症ケア学会(以下、学会)が主催する民間資格です。

学会によると認知症ケア専門士認定試験とは「認知症ケアに対する優れた学識と高度の技能、および倫理観を備えた専門技術士を養成し、わが国における認知症ケア技術の向上ならびに保健・福祉に貢献することを目的」とする資格と定義しています。

現在の有資格者数は全国で約36,000名(第9回試験までの累計)で、介護保険施設や医療機関、居宅介護支援事業所、社会福祉協議会、地域包括支援センター等の介護や福祉の現場で活躍されています。


認知症ケア専門士の受験資格・試験の概要

受験資格は「認知症ケアに関する施設、団体、機関等において、過去10年間の間に3年以上の認知症ケアの実務経験を有する者」となっています(尚、ここで言う施設、団体、機関とは認知症専門の事業所である必要はありません。職務上認知症ケアに携わっていれば受験可能です)。 国家資格等の所持の有無も関係ありません。

上記実務経験歴を事業所から証明してもらえれば誰でも受験可能です(受験の手引き内にある「認知症ケア実務経験証明書」の提出が全員必須です)。

試験は毎年行われ、7月頃に実施される4分野の筆記試験と11月頃に実施の面接試験の2段構えとなっています(厳密に言えば面接試験前に事例の論述問題を郵送で提出しなければなりません)。


【1次試験(筆記試験)】

毎年7月頃に開催。各分野とも正答率70%が合格ライン。

認知症ケアの基礎・総論・各論・社会資源の4分野で、それぞれ試験問題数は50問、試験時間は各60分となっています。出題方式は表向き「五者択一」となっていますが、実際は正解の組合せを選ぶ「準・五者複択」とも言える方式です。しっかりテキストを読んで学習すると共に、試験対策本も出ていますから実戦慣れしておくことも必要です。ある程度慣れておくと実際の試験でも臆することなく臨めるでしょう。

1次試験4分野全てに合格すると2次試験へ進む事が出来ます。仮に1~3分野不合格であっても気を落とさないで下さい。合格した分野は5年後まで有効なので、翌年からは不合格分野だけ受験することができます。5年間の間に全て合格できれば良いのです。


【2次試験(論述・面接試験)】

1次試験合格後論述試験(郵送)を実施、11月頃に面接試験・1分間スピーチとグループディスカッションを実施(スピーチとディスカッションで合計20分間実施)

論述試験・面接試験を通じての評価ポイントは…
 (1)適切なアセスメントの視点を有しているか?
 (2)認知症を理解しているか?
 (3)適切な介護計画を立てられるか?
 (4)制度および社会資源を理解しているか?
 (5)認知症の方の倫理的課題を理解しているか?


2次試験グループディスカッション攻略のコツ

1次試験の内容がしっかり頭に入っているかを問われる上、実際のケアの現場でどのように知識を活かせるかを問われます。

ただ、どうしても人前で喋るのが苦手、あがり症の方もおられると思います。そんな方のためにワンポイントアドバイス。

グループディスカッションは6名1グループとなっています。2次試験当日は午前と午後で集合時間が分割され(規模にもよると思いますが、筆者の会場ではそうでした)早めに待合室に入ると試験開始までかなりの待ち時間が発生することがあります。

待合室ではあらかじめ受験票に書かれたグループの机に誘導されるのですが、この待ち時間実は、グループの方々と談笑していてもOKなのです。同じグループの方はいわば「戦友」となりますので、早めに仲良くなって協力体制を築いて下さい。仲良くなると不思議と緊張感も少なくなります。逆に全くコミュニケーションを取らなかった相手と20分のディスカッションは相当厳しいです。

ちなみに面接の試験問題は試験室に入る直前に発表されます(筆者の時は試験室前の廊下の床に貼ってありました)。

この2つの関門を突破するのは約40~50%の合格率です。4,000人前後の方が毎年合格しています。これから福祉・介護の世界ではますます認知症ケアは不可欠なスキルとなっていきます。是非スキルアップを目指してください。

認知症ケア専門士は更新制の資格

認知症ケア専門士は更新制の資格となっています。資格取得から5年間で30単位を獲得することで資格を更新することができます。単位は主に講演会や学術集会への参加や、会での発表をすることで得ることができます。

【領域Ⅰ】(参加:3~8単位 発表者または座長等:+2~3単位)

学会大会・地域大会、日本認知症ケア学会認定委員会(以下、認定委員会)が承認する学会への参加または発表。

【領域Ⅱ】(参加:2~5単位 発表者または座長等:+1~3単位)

学会主催の教育講演・セミナー等への参加または講師・司会、地域部会が主催する講演への参加または発表・座長・講師、認定委員会が認める講演への参加または発表・座長・講師。
他にも、学会ホームページ(動画サイト)において講演を受講したり、地方自治体主催の認知症ケアに関する講師活動を行うと1単位が付与されます。

【領域Ⅲ】(学会および事例ジャーナルへの論文:8単位、その他論文:3~4単位、共著者:1~2単位)

学会誌や認知症ケア事例ジャーナルへの投稿論文、その他投稿論文以外の論文、学会機関誌以外での論文発表など

※詳細な単位数については学会ホームページ(http://www.chihoucare.org/)を参照してください。

更新に必要な30単位のうち、上記領域ⅠとⅡで20単位以上の獲得が条件となっています。また、5年間で40単位以上取得すると次回更新時に更新特別単位として10単位が付与されます。

資格を単位取得制としているのは、刻々と加わる認知症や社会資源の新しい情報を幅広く習得していくため、そして多くの仲間と交流する機会を設ける事で専門士同士の横の繋がりや他職種との連携を強化する狙いもあります。学会や講演会では是非仲間たちとの交流も図ってみて下さい。


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