ターミナルケア 〜認知症になっても本人らしい最期を

ターミナルケアとは病気によって死を迎える方に対し、精神的・身体的苦痛を和らげ、本人が少しでも穏やかに過ごせるようにするケアのことです。このページでは、ターミナルケアについて説明するとともに、認知症のターミナルケアについて解説します。

この記事の目次
  1. ターミナルケアとは
  2. 認知症におけるターミナルケア
  3. 認知症の「ターミナル」はいつ?
  4. 「その時」が来たら何をすれば良い?
  5. 最期を迎える場所の選択肢
  6. 自宅でのターミナルケア
  7. 施設でのターミナルケア
  8. 人生の最終段階における医療とケアのあり方

ターミナルケアとは

ターミナルとは、認知症に限らず、病気による終末期のことです。ターミナルケアは余命がわずかとなった方の医療や看護のことで、日本では医療よりもケアの範疇として認識されています。

治療や延命よりも、本人のQOL(クオリティオブライフ)向上を目的とし、精神的・身体的苦痛や死への恐怖を和らげるためのケアのことを言い、緩和ケアの一つです。

認知症におけるターミナルケア

認知症の「ターミナル」はいつ?

「認知症疾患診療ガイドライン2017」によると、認知症は直接の死因と認識されておらず、終末期の定義はされていませんが、一般的には、寝たきりとなり物が食べられなくなった状態以降を末期と捉えることが多いようです。強制的な栄養摂取をしない限り、脱水や衰弱が進んで行く状態です。

癌などと異なり、認知症では意識レベルと身体機能の両方が衰弱していくため、併発している疾病がなければ、激しい痛みなどを訴えることは稀だと言われています。

「その時」が来たら何をすれば良い?

延命の処置について判断する

物が食べられなくなったら、胃ろうなどの判断が必要です。また、その他の延命治療についても、本来は本人の意思で決めるものですが、認知症ではターミナル近くになると意思確認が難しくなっている事が多く、その場合は家族の意思に委ねられます。

デリケートな話題ではありますが、終末期を迎える前に、家族で話し合っておくと良いでしょう。

痛みや不安のサインに気をつける

ターミナルケアのポイントは、穏やかな最期を過ごすことです。施設にいても家族と過ごす時間を作り、また家族がない人でも、職員が寄り添います。

認知症が進むと意思の疎通が難しくなっていたり、痛みなどへの反応も鈍くなっている場合があり、苦痛を訴えられない人もいます。しかし、本当に苦痛がないのか、ただ訴えが出来ないだけなのかは、判断が難しくなります。本人の様子をよく観察し、苦痛を取り除く努力をしましょう。特に寝たきりの場合、褥瘡(床ずれ)には注意が必要です。

そばに寄り添い精神的なサポートをする

意思疎通が出来なくても、耳は聞こえている場合が多く、名前を呼んだり、好きな曲を流すことで、精神的な安定につながることがあります。手足をさするなどのスキンシップも有効です。

ターミナル期に家族が出来る介護とは、痛みなどの訴えを医師や看護師に伝える事ばかりではなく、そばにいて不安を和らげることに大きな意義があります。

最期を迎える場所の選択肢

最期はどこで迎えるかを、家族で相談しておく必要があります。自宅、施設を選んでも、容体が急変した場合は病院に搬送され、最後を迎えることもありますので、本人だけでなく、家族も納得ができるよう、よく話し合っておきましょう。

自宅でのターミナルケア

2017年の高齢者白書によると、調査の結果全体の半数が最後を迎えたい場所を「自宅」としています。理由として、住み慣れた環境で、家族がそばにいることに対する安心感が挙げられます。

自宅でターミナルケアを行う場合は、在宅医療や訪問介護など様々なサポートを受けながら、家族が中心となり介護を行います。

※出典:平成29年版高齢者白書

医療や看護のサポートと連携をとる

ターミナルになると、それまで以上に医師や訪問看護師となどと密に連絡を取り合っていく必要があります。治療の範囲として点滴や酸素吸入などの処置を行うのか、治療を行わずに自然に任せるのかなど、よく相談してください。また、最期を迎える時の連絡方法を確認する必要があります。

施設でのターミナルケア

終の住処として施設に入所している場合も多く、ターミナルケアを実践している施設も多くあります。しかし、自宅と同様住み慣れた環境で最期を迎えたいと願っていても、病院に搬送される場合がありますので、あらかじめ本人や家族の希望を施設側に伝えておくことが必要です。


人生の最終段階における医療とケアのあり方

厚生労働省は、「人生の最終段階における医療の決定プロセスに関するガイドライン」を公開しており、その中に「人生の最終段階における医療とケアの話し合いのプロセス」が図解されています。参考にしてください。



このページの
上へ戻る