ERISA社、アルツハイマー病予測技術の国内特許を取得

2019年3月23日

アルツハイマー病へ進行するMCI患者を約85%の精度で予測

株式会社ERISA(島根県松江市)は、国立大学法人滋賀医科大学と共同で出願した、進行性MCI(軽度認知障害)識別技術に関する特許「診断支援装置、機械学習装置、診断支援方法、機械学習方法および機械学習プログラム」が日本で成立し、2月22日付けで設定登録(特許第6483890号)されたと発表しました。

特許を取得した進行性MCI識別技術は、機械学習を利用して開発された画像解析プログラムで、3年以内にアルツハイマー病へ進行するMCI患者を、脳MRI画像、年齢、性別から約85%という高精度で予測します。同社は、主要事業として独創性の高い本技術を創薬分野で活用することを目指しており、「今後は事業展開を計画する海外においても、本技術の権利化を進めていく」としています。

製薬治験の精度向上に貢献

MCIは、高齢化等により認知機能に障害が生じた状態で、認知症の前段階として知られています。北米の研究データによると、MCIと診断されてから3年以内に認知症へ進行したケース(進行性MCI)はMCI全体の3分の1程度であることが分かっています。

一方で、進行性MCIと非進行性MCIを識別する技術がなかったため、製薬企業の実施する治験においては、治験期間内に認知症を発症しない非進行性のMCI患者も被験者に含まれてしまうため、薬の効能の評価が困難であるという問題がありました。

今回特許を取得した技術により、認知症を発症する確率の高い進行性MCIの患者を主な対象として治験を実施することが可能となり、今までに成功例のないアルツハイマー病の治療薬の開発につながる可能性があります。

(画像はイメージです)

▼外部リンク
アルツハイマー病に進行するMCI患者を識別する技術に関する国内特許を取得


このページの
上へ戻る