富山大とJST、記憶のアイデンティティを保つ仕組みを解明

2018年6月29日

認知症とも密接に関わる「記憶」

富山大学は、科学技術振興機構(JST)の戦略的創造研究推進事業において、関連付けられた記憶それぞれのアイデンティティは、シナプス特異性が担っていることをマウスを使い、世界で初めて明らかにしました。

記憶は特定の神経細胞集団として脳内に蓄えられています。記憶同士が相互作用するときには、それぞれの記憶に対応する記憶細胞が共有化され、その結果として元々独立した記憶同士が関連付けられ新しい意味を持つ記憶(知識)が形成されます。本研究成果のポイントは次のとおりです。

○知識は複数の記憶情報を共有化することで形成されるが、個々の記憶のアイデンティティがどのような仕組みで保たれているのかは不明だった。
○マウスを用いて、共有化された記憶を担う細胞(エングラム細胞)が持つ異なるシナプスの伝達効率の制御が、それぞれの記憶のアイデンティティを担うことを明らかにした。
○記憶のアイデンティティの喪失は、記憶障害を伴う認知症などに密接に関わっていることから、本成果はこれらの疾患の予防・治療法の創出にもつながると期待される。

(画像はイメージです)

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