医療研究開発機構、アルツハイマー病における意欲低下の原因を解明

2018年6月20日

脳内タウ病変を標的にした新たな治療戦略の創出に期待

国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構の島田斉主幹研究員と北村聡一郎協力研究員らは、千葉大学大学院医学研究院の桑原聡教授らと共同で、アルツハイマー病患者に意欲低下が生じる原因を解明しました。

厚生労働省の調査によれば、2012年の時点で日本には約462万人の認知症患者がおり、2025年には約700万人になるともいわれ、世界中では約3秒に1人が新たに認知症を発症しています。アルツハイマー病、認知症の予備群といわれる軽度認知機能障害(MCI)では、意欲低下の症状に対して十分な治療を行う必要がありますが、これまでの主に死後脳による研究では困難でした。

生体脳でタウを可視化する技術を開発

そこで研究グループは、生体脳でタウを可視化する技術を開発、認知機能障害とタウ蓄積の関係を明らかにしてきました。この技術を用いて、軽度認知機能障害を含む早期のアルツハイマー病患者を対象に、意欲低下が強い患者においてタウ蓄積が多い部位を調べ、その部位における神経細胞死などの重症度をMRIで評価し、意欲低下の重症度との関連を調べました。

本研究の成果について同機構は次のようにまとめています。

「アルツハイマー病患者の脳内に多く蓄積するタウタンパク質が、意欲低下の原因となり得ることを明らかにした」
「眼窩前頭皮質に蓄積しているタウが多い患者ほど、同部位の神経細胞死や、その部位と他の脳部位を結ぶ線維の障害が重度で、意欲低下も重症となっている」
「タウの脳内蓄積を抑えることで、アルツハイマー病の認知機能障害のみならず、意欲低下の治療や予防もできる可能性が示された」

(画像はプレスリリースより)

▼外部リンク
日本医療研究開発機構,アルツハイマー病における意欲低下の原因を解明―脳内タウ病変を標的にした新たな治療戦略の創出に期待―


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